百年に一度の異常気象か――。 6月以降、世界の穀倉地帯・米国中西部を歴史的な干ばつと熱波が襲い、生育途上の大豆やトウモロコシが甚大な被害を受けた。国内で消費される穀物の大半を米国からの輸入に頼る日本にとって事は深刻だ。特に産地が北南米に集中する大豆は要注意。米国の禁輸措置に端を発した1973年の「大豆ショック」が再来し、豆腐の値段が2~3倍に跳ね上がるかも知れない。 米中西部の主要都市の6月の月間雨量をみると、例えばインディアナ州インディアナポリスは3ミリ(平年は約120ミリ)。イリノイ州の州都スプリングフィールドはわずか0.3ミリ(平年は約100ミリ)と降雨ゼロに等しい。 7月も状況は変わらず、穀物価格の国際指標であるシカゴの大豆・トウモロコシ相場は本稿執筆時(8月8日)でも過去最高値圏に張り付いている。 作柄を左右する受粉期に干ばつが直撃したトウモロコシは単収の低下だけでなく、実の品質