人が何かに依存するとき、脳ではどんなことが起きているのか? 季刊『Be!』増刊号No.16「依存症って何?」のコラムより、抜粋・一部改編してお届けします。 1.脳が酔う アルコールの「酔い」も、ドラッグの快感も、それを感じているのは「脳」です。 気分を変化させる薬物はどんなものでも、「脳に効いている」のです。 脳は身体の臓器の中でも、とりわけ大事な場所。 異物が入りこまないよう、脳に至る血管には「脳―血液関門」と呼ばれる脂肪の厚い膜があります。 けれど、アルコールは脂肪に溶けるため、この膜をすりぬけて脳に入り込みます。 タバコに含まれるニコチンも、危険ドラッグも、安定剤などの処方薬も同じ。 こうした薬物はいずれも、自然に関門を通過するか、通過可能になるよう化学的に加工されているのです。 脳に侵入した薬物は、神経細胞の情報伝達に影響を与えます。 たとえば覚せい剤は、神経伝達物質のドーパミン・