「戦争を知らないやつが出てきて日本の中核になったとき、怖いなあ」――。田中角栄元首相にそう言われたという。その言葉が私の根っこにあると語るのは、藤井裕久・元衆議院議員(87)だ。大蔵官僚から国会議員になり、自民党、新生党、民主党などを渡り歩きながら、常に政界の中心にいた人物である。藤井さんは2012年に政界を引退した後も、全国各地に足を運んで戦争体験を語っている。なぜ、そんなことをしているのか。その思いを聞いた。(河野正一郎/Yahoo!ニュース 特集編集部) 東京・白金台にあるマンションの3階。エレベーターのない急な階段を上がると、藤井裕久事務所がある。政界引退から7年、87歳になったいまも、藤井さんはこの事務所に毎日のように通っているという。「足腰の鍛錬ですよ」。そう笑う藤井さんには、一つの使命感がある。
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