文:太田明日香 写真:平野愛 杉本恭子(すぎもと・きょうこ)フリーライター 同志社大学大学院文学研究科新聞学専攻修了。学生時代は同大の自治寮に暮らし、吉田寮や熊野寮、ブンピカなどで自治を担う京大生とも交流。アジールとなりうる空間、自治的な場に関心をもちつづけ、寺院、NPO法人、中山間地域でのまちづくりを担う人たちなどのインタビュー・取材を行っている。 形として見えない文化を記録する 本書のきっかけは、大学寮立ち退き問題がテーマのドラマ「ワンダーウォール」。2018年にNHKで放送され、2020年には劇場版が公開された。同時期、作品のモデルになった京都大学吉田寮も実際に立ち退き問題で揺れていた。それを知った編集者の臼田桃子さんが、大学改革によってどんどんこぎれいになる京都大学の姿に疑問をもち、これまでにあったさまざまな学生文化をまとめられないかと杉本さんに依頼した。 杉本さんは同志社大学出身