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ブックマーク / business.nikkei.com (6)

  • 有機農家は植物工場を脅威に感じるべきだ

    記者の仕事を長年やっていると、迷ったときや、何か新しい事態に直面したとき、意見を聞くことのできる相手を見つけておくことがいかに大切かがわかる。期待しているのは、専門領域外のことでも、自分のやっていることに照らして何らかの見解を示してくれることだ。ときとして、そういう意見のほうが当事者の声より参考になったりする。 有機農家の久松達央さんも筆者にとってそうした「ご意見番」の1人だ。農業の世界では有名な人なので簡単に説明すると、1998年に脱サラし、99年に茨城県土浦市で就農した。複数のスタッフを抱えて株式会社の形で農場を経営し、野菜を消費者に宅配し、レストランに直売している。 今回、改めて久松さんにインタビューしたのは、植物工場のことが念頭にあったからだ。最近、植物工場の可能性と限界について取材してきたが、制度的な課題として浮かびあがったのが、「コンクリートを敷いたら農地として認めない」という

    有機農家は植物工場を脅威に感じるべきだ
  • 総務は1人で十分こなせる

    総務部や人事部をはじめとした間接部門。なくてはならない存在だが、コストアップ要因と見なされることも多い。そんななかITを駆使することで1人で総務部門をこなす会社があった。 間接部門が仕事の“邪魔”をする──。そんな不満を持つ直接部門の社員が増えている。実情に合わないルールを導入する一方、形骸化した古い仕組みは固守しようとする。 「存在意義を守るため、無理に仕事を作っている」。これが多くの直接部門社員の見立てだ。 過去を振り返って見ても、間接部門は企業の要であるにもかかわらず「コストアップ要因」と見なされることが多かった。では間接部門をどこまでスリム化することが可能なのか。基幹システムを販売するスマイルワークス(東京・千代田)の坂恒之社長は「クラウドを駆使すれば大企業でも1人で十分こなせる。できない理由があるとすれば、仕組みの問題ではなく、部門の既得権益だろう」とみる。 この考えを実践して

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  • シン・ゴジラ、発声可能上映の衝撃

    そんなツイートを見かけたのは、チケット発売の前日、8月8日だった。もともとこうした特殊な上映会が好きだった筆者は俄然興味が湧き、0時ピッタリから始まるオンライン予約に挑んだ。 争奪戦はすさまじかった。確保できるだけ確保してしまおうと上限である5席を取ろうとしたものの、場所を確定している間に別の人が先に予約を完了してしまい、エラーになって始めからやり直し……という状態に何度も陥った。どんどん埋まっていく座席表に焦り、端の席を2枚だけ選択して、やっとなんとか予約できた。同じようにチャレンジしていた友人の多くが脱落していた。完売までは、わずか7分だったという。 そして当日。会場である新宿バルト9はコスプレイヤーであふれ、上映は大盛り上がり。庵野秀明総監督がサプライズゲストとして登場すると、熱気は最高潮に。まるでアイドルのライブのような雰囲気で、筆者も「何というプラチナチケットだったのだろう!一生

    シン・ゴジラ、発声可能上映の衝撃
  • 「正常色覚」が本当に有利なのか

    これは、ある意味、進化生物学者の夢の達成だ。どんどんミクロに見て、遺伝子レベルで解明できたことが、実際に生き物が日々の行動の中でどのように影響しているのか、その適応的な意味とはなになのか、直接、調べることができるテーマは、未だにそうたくさんある話ではない。 色を数値化 そして、河村さんたちのフィールドワークは、これまでの常識をひっくり返す発見をもたらした。 「3色型の有利性がどれくらいのものなのか、当にあるのかということも含めて調べましょうということで、何をしたかといいますと、まず、果実や葉っぱの反射率を測定して、色を数値化する作業をしました。同時に降り注ぐ太陽の光の波長測定をすれば、サルのオプシンの吸収波長はわかっているので、そのサルにとってその色がどんなふうに数値化できるかといえるわけです。2004年から2005年にかけて、博士課程の学生だった平松千尋さん(現・九州大学助教)が、25

    「正常色覚」が本当に有利なのか
  • ロード・トゥ・ザ・提灯持ち

    自民党の丸山和也参議院議員が、2月17日の参院憲法審査会で「黒人奴隷が米大統領になった」という旨の発言をしたということで、ちょっとした騒ぎになっている。(こちら) はじめにお断りしておくが、私は、丸山議員のこの発言を、今回の原稿の主題に据える気持ちは持っていない。 最初にこの発言のニュースを引いたのは、ほかの政治家の問題発言と対比するためだ。 私は、ここしばらく頻発している政治家による不穏当な発言と、それらの発言に関するそれぞれの報道のトーンに、釈然としないものを感じている。今回はそれらの「失言の伝えられ方」を見比べてみることでメディアの役割について再考してみたいと考えている。 丸山議員の発言は、問題外の軽率な発言だ。 「どこから突っ込んで良いのやら」 というヤツだ。 なにより、「黒人の血を引く」「奴隷ですよこれは」といったあたりの言葉の選び方に無神経さが露呈している。 昭和の時代ならいざ

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  • 育休は権利か義理チョコか?

    今年はバレンタインデーが日曜日にぶつかるため、関連業界は、オフィスで配られるいわゆる「義理チョコ」需要が減少することを懸念しているのだそうだが、一方、育児休暇を申請する方針を明らかにしていた国会議員に不倫疑惑が発覚して、育休をめぐる議論そのものが雲散霧消しつつある。 この二つの話題は、一見、関係の無い、別の出来事だ。が、私の見るに、両者の間には通底する何かがある。今回は、バレンタインデーと育児休暇を結びつけるわれわれの対人感覚のめんどうくささについて書こうと思っている。こじつけだと思う人もあるだろうが、デキの良いこじつけは世界を動かすことができる。というよりも、バレンタインデーをめぐる商習慣自体、こじつけからスタートしている。 バレンタインデーに女性から男性にチョコレートを贈る習慣が定着したのは、そんなに古い話ではない。私は、バレンタインという言葉が、まだほとんど誰にも知られていなかった時

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