★下記の文章は、『男がつらい! 資本主義社会の「弱者男性」論』(ワニブックスPLUS新書、2022年)の一部分として書かれたものの、分量的な問題によって削除した部分になります。(約15,000字) 男性たちのなかにも、「男性差別が無視されている」「逆差別がある」と考える人々が増えてきた。 では、そもそも、「男性差別」や「逆差別」や「おじさん差別」(中年男性差別)というものは存在するのだろうか。 基本的なところから考えてみたい。 近年、多数派男性=「おじさん」に対してはさまざまな批判が行われている。男性特権のあり方が批判され、日常の無意識的な性差別やハラスメントが批判される。 確かに、それらの批判の中には、「キモいおじさん」に対するレッテル貼り、ほとんどハラスメントのようなからかい、あるいは職場や家庭でのイジメに近いような言動も見受けられる。 「おじさん」はキモい――それはたんなる悪口や批判
