陸上の日本選手権が6月4〜6日、香川県立丸亀競技場で行われた。ここ数年は6月下旬だったが、今年はサッカーのワールドカップ(W杯)と重なるのを避けて上旬に繰り上がった。「五輪の花形」とも言われる競技だが、W杯の注目度には負けてしまうだろう。スポーツニュースの中で埋没しないため、日程を変えた日本陸連の判断は賢明だった。 野球やサッカーに比べれば華やかさに乏しく、どちらかと言えば地味な印象の競技であることは否めない。そんな背景もあってか、今大会は陸上選手の競技環境の貧弱さが気になってしまった。 女子棒高跳びで4メートル25の自己ベストで優勝した我孫子智美(光泉AC)は、滋賀県の自動車整備会社で午後3時までパートタイムで働き、それから母校の光泉高を母体とするクラブで練習している。 同志社大4年生だった昨年9月、日本学生記録を2センチ更新する4メートル22で日本学生対校選手権の4連覇を達成。その時に