知り合いの人事担当者と会話していた時のこと。問題となっている派遣切りの話題となった。 「実はうちも派遣さんを何十人か切ってねぇ」 「やっぱり会社は大変なのかい?」 「いや、そういうわけでもないんだ。実際、仕事自体はそんなに減っていないし」 「え?じゃあ何があったの?」 「ほら、例のアレだよ、09年問題だよ」 06年、偽装請負の問題化などから、大手製造業は一斉に請負から派遣社員へと切り替えを進めた。一方で、派遣社員は受け入れ3年後に直接雇用が義務付けられている。ラインを変える、いったん契約を解除しておいて3ヵ月後に再雇用するといったような対策も考えられたが、それらをもっとも熱心に潰して回ったのは共産党だ。どうやら彼らは本気で、派遣労働者の正規雇用が可能だと考えていたらしい。 結果、大手製造業は、09年中に直接雇用に切り替えるか、それとも雇い止めするかの選択を迫られていた。直接雇用はできないか