プロ棋士を目指す三段リーグの厳しさやプレッシャーは、体験したものでないと分らないと言われています。しかし、昇段のかかった対局で船江恒平六段は、落ち着いて指せるだけの自信があったようです。その自信となった根拠とは一体どういったものだったかを語っていただきました。 第23期竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局(2010年8月30日)で記録係を務める船江三段(当時)。撮影:若葉(「竜王戦中継plus」より) ――奨励会時代の最後の1年は、どのような変化が自身の中であったのでしょうか? 「変な言い方ですが、真面目でした(苦笑)。仲間内で麻雀に行くこともありましたけど、参加せずに『詰将棋パラダイス』を解いていました。お酒も全く飲みませんでしたね」 ――将棋の勉強面ではどのようなことを変えられましたか? 「記録係をすごくやりましたね。特に、久保(利明王将)先生の対局ばかりを取っていました。当時は二冠(棋王・