【岡戸佑樹】私立椙山(すぎやま)女学園高校(名古屋市千種区)の放送部がつくった10分間のラジオ番組。先輩が戦時中、校内で風船爆弾をつくった様子を語った。「後世に伝えなければ」。そんな思いで聞き取った69年前の記憶は、30日にオンエアされる。 「これはすごい兵器、秘密の。これさえあれば盛り返す」 「国のために尽くせる、ただそれだけだった」 ラジオ番組「伝えたい ~風船爆弾の記録~」。風船爆弾をつくった卒業生である井上寛子さん(82)=名古屋市北区=、堀井須美子さん(83)=同市北区=、徳田百合子さん(82)=同市守山区=の証言が紹介されている。 風船爆弾は戦況の悪化を受け、旧陸軍が開発した「秘密兵器」だ。椙山女学園高校では1944年の秋から冬にかけ、1、2年生約120人が屋内プール場や体育館で和紙をはり合わせてつくった。 当時は箝口令(かんこうれい)がしかれ、学園史にも「風船をつくる秘密軍需