四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを命じた広島高裁の仮処分決定を受け、四電側が申し立てた異議審で、高裁(横溝邦彦裁判長)は異議を認めて差し止め決定を取り消した。高裁レベルの異議審で原発の運転停止を命じる司法判断が覆るのは、2011年の東京電力福島第1原発事故後で2例目。 3号機は現在、定期検査中で稼働していない。前回の差し止め決定の効力がなくなるため、四電は検査などを終えれば再稼働できる。 仮処分を申請したのは原発から30~40キロ圏内にある瀬戸内海の山口県島しょ部の住民3人。山口地裁岩国支部が19年3月、申し立てを却下したため、住民側が広島高裁に即時抗告した。