1945年8月23日は「シベリア抑留」の始まった日です。終戦後にシベリアやモンゴルで亡くなった日本人らの第14回追悼の集いが東京の千鳥ケ淵墓苑で行われました。日本が侵略した中国東北部(旧満州)で敗戦時に旧ソ連軍の捕虜となり、ソ連に移送された兵士は約60万人。飢えと寒さと強制労働で約6万人以上が帰らぬ人となりました。日本政府による元兵士への労働給与の補償がないまま多くの人が亡くなっています。シベリア抑留とは何だったのかを追いました。(山沢猛) 東京都庁に近い高層ビルの上階にある平和祈念展示資料館。三つのコーナーの一つに「戦後強制抑留」があります。夏休みに母親と訪れた小学生が、抑留者の描いた絵に熱心に見入っていました。 観覧者からは「父は重労働で戦友の3分の2が凍死したという話をよくしていた。二度と戦争に参加することを許してはならぬ」(男性79歳)、「父が無事帰国していなければ、私という人間も