栃木県足利市、群馬県太田市という隣接する2市で、4歳から8歳の5人の少女が誘拐または殺害されているという重大事件。その中の一つが、あの「足利事件」である。一連の事件を同一犯による連続事件だと喝破した著者は、「足利事件」冤罪の可能性を報じて菅家さんを釈放へ導くとともに、徹底した取材によって、ついに「真犯人」を炙り出した―! 出版されるやいなや、タイムラインには読み巧者たちによる絶賛の言葉がならんだ。しかし内容は重そうだ。まずはウォーミングアップにと、前作『桶川ストーカー殺人事件-遺言』を読んだ。そこには、桶川事件について抱いていた漠然としたイメージとはまったく違うドキュメントがあった。 そしてこの本。読み出すと文字通り止まらなかった。ここにもおぼろげに知っていると思っていた『足利事件』とはあまりに違うストーリーがあった。報道、それも、バイアスのかかった初期報道によって、いかに『確証バイアス』
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