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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (8)

  • 「差別とは無関係」といいながら差別するひとたち 週刊プレイボーイ連載(300)  – 橘玲 公式BLOG

    民進党の蓮舫代表(7月27日に辞任を表明)が「二重国籍でないことを証明する」ため、戸籍の写しなどを公表したことが波紋を広げています。この問題についてはネットを中心に膨大な議論がありますが、話がややこしくなるのは、「国会議員が二重国籍なのは違法だ」と思っているひとが(ものすごく)たくさんいることです。すでに指摘されているように、公職選挙法では国会議員が日国籍であることを定めているだけで、二重国籍を排除する規定はありません。 2007年の参院選挙では、国民新党がアルベルト・フジモリ元ペルー大統領を比例代表候補として擁立していますが、フジモリ氏が日とペルーの二重国籍であることはまったく問題にされませんでした。蓮舫代表のケースでは、国籍についての過去の発言に矛盾があることは確かですが、司法の判断の前に経歴詐称と決めつけ、有権者によって選ばれた議員の資格を一方的に否認するのは民主国家としては明ら

    「差別とは無関係」といいながら差別するひとたち 週刊プレイボーイ連載(300)  – 橘玲 公式BLOG
  • 理屈をいう前に、まずは保育園の送り迎えから 週刊プレイボーイ連載(235) – 橘玲 公式BLOG

    子育てをしたのはだいぶ前のことですが、ゼロ歳のときから共働きで、月~金のうち2日は私が保育園に迎えにいくことになっていました。公立の保育園は9時から5時までで、前後に1時間延長が認められていました(*)。朝8時に子どもを預けると、5時に迎えにいくためには4時過ぎに会社を出なくてはなりません。これでは正社員の勤務は無理なので、子どもが小学校に上がるまではフリーランスで働いていました。 日では共働きでも夫が正社員、がパートがほとんどで、その保育園では父親が迎えに来るのは私だけでした。「保育園落ちた日死ね」のブログをきっかけに政治家や識者がいろんなことをいってますが、違和感があるのは、このひとたちのほとんどが保育園を利用した経験がないからでしょう。 待機児童の解消が重要なのは当然ですが、保育園の数を増やしただけでは問題は解決しません。当時、いちばん困ったのは子どもが頻繁に発熱することでした

    理屈をいう前に、まずは保育園の送り迎えから 週刊プレイボーイ連載(235) – 橘玲 公式BLOG
  • 第56回 ルール透明化の皮肉な結果(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    利益相反はいつの時代でもやっかいな問題だ。典型的なのは政治家で、「国民のため」などといいながら、公共事業の発注と引き換えに建設会社からキックバックをもらったりする。言語道断だが、同様の行為は社長に任命された監査役とか、製薬会社から接待漬けにされた病院長とか、枚挙にいとまがない。残念なことに金融業界も例外ではなく、世界金融危機以降、利益相反の巣窟と見なされている。 もちろん監督官庁も手をこまねいているわけではない。不道徳な慣習をやめさせる武器は「情報開示」だ。「手の内を知られているなら、ダマすことなどできないはずだ」というのはたしかに一理ある。だがこれは、ほんとうに効果があるのか。 行動経済学者のダン・アリエリーは、次のような興味深い実験を紹介している(『ずる』早川書房)。 ある参加者は、小銭の入ったビンを一瞬見せられ、金額をより正しく推測することで報酬が支払われた。これを「推測者」としよう

    第56回 ルール透明化の皮肉な結果(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG
  • マクロ経済学のどこがヤバいのか – 橘玲 公式BLOG

    新刊『「読まなくてもいい」の読書案内』の第一稿から、紙幅の都合で未使用の原稿を順次公開していきます。これは第3章「ゲーム理論」で使う予定だった「複雑系経済学」の紹介です。 ************************************************************************ 経済学が抱える最大の問題が「合理的経済人」の前提にあることは間違いない。行動経済学がこの前提が成立しないことを証明した以上、経済学も、ゲーム理論も、理論の正当性に深刻な疑問を突きつけられている。 この矛盾は、じつは経済学の内部でも気づかれていた。 大学で勉強する経済学は、ミクロとマクロに分かれている。ミクロ経済学は家計(消費者)の需要と企業(生産者)の供給から市場の構造を一般化しようする「帰納型」で、マクロ経済学は国民所得や失業率、インフレ率などのデータから一国経済を分析しよ

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  • 教養という「幻想」にしがみつくひとたち 週刊プレイボーイ連載(222) – 橘玲 公式BLOG

    18歳で東京に出てきて、入学式後の大学の最初のイベントは新入生向けの記念講演でした。高校の勉強にうんざりしていた私は、大学ではどんなことが学べるのか、期待に胸を躍らせていました。 1000人以上入る巨大な講堂をぎっしり埋めたその講義で、ギリシア哲学の高名な学者が力説したのは、「うちの大学の男子学生は田舎者が多いから、ブスな女子学生にかんたんに引っかかってしまう。世の中にはもっといい女がたくさんいるのだから、カノジョを選ぶときは慎重にしなさい」ということでした(いまならセクハラで許されないでしょうが、当時はこういう発言はふつうだったのです)。 たしかに親切な助言かもしれませんが、まだ初心だった私は衝撃を受けました。こんなものが「学問」なら、大学にいったいなんの意味があるのだろう。 その大学は教師自ら「学生一流教授三流」と自嘲していて、学生が全員授業に出席すると教室が足りなくなるといわれていま

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  • 福祉国家は「差別国家」の別の名前 週刊プレイボーイ連載(218) – 橘玲 公式BLOG

    「現代の民族大移動」ともいうべき難民の大量流入でヨーロッパが動揺しています。ハンガリーの右派政権は移民の流入を防ぐために国境を封鎖して批判を浴びましたが、批判の急先鋒に立ったクロアチアやオーストリアといった国々も、難民が国内に滞留しはじめると態度を翻しました。難民を満載した列車を市民が歓迎したドイツでもメルケル首相の支持率が急落しています。 「反移民」は東欧だけの現象ではありません。世界でもっともリベラルな社会を実現したスウェーデンでは、2010年と14年の総選挙で「税金を納めない移民のただ乗りを認めるな」と主張する“極右”の民主党が第三党に躍進して衝撃を与えました。大麻も安楽死も合法で、「自由と自己決定権」を重視する世界でもっとも進歩的な国オランダでも、「イスラーム諸国からの移民受け入れ停止」を掲げる自由党が第三党となり、閣外協力ですが政権の一翼を担っていました。国連の調査で「世界で一番

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  • 「表現の自由」でエイズの似非科学を擁護した代償 週刊プレイボーイ連載(149) – 橘玲 公式BLOG

    「自分に甘く他人に厳しい」というのは人間の性でしょうが、それが目に余るのは似非科学を振りかざすひとたちです。 彼らはまず、相手に対して厳密な証明を求め、すこしのミスも許しません。そして、自分の主張が非科学的だと批判されると「表現の自由」だと言い張ります。 似非科学が流布する背景には、それを支持する知識人(と呼ばれるひとたち)がいます。彼らは、あらゆる意見には発言の場が与えられるべきであり、国家権力がそれを制限するのは不当だといいます。 これは一見、正論のようですが、だとしたら「朝鮮人を殺せ」と叫ぶ集団の表現の自由も命がけで守らなければなりません。しかし彼らは、そんなことをする気はまったくないでしょう。「表現の自由」は、自分の気に入った意見にだけ適用されるのです。 マンガ『美味しんぼ』では、福島第一原発を取材した主人公の鼻血と放射能の関係が問題になりました。マンガを掲載した編集部は「ご批判

  • 反原発派こそが似非科学を批判すべきだ 週刊プレイボーイ連載(148) – 橘玲 公式BLOG

    人気マンガ「美味しんぼ」の主人公・山岡士郎は、福島第一原発を訪れた後に鼻血を流します。実名で登場する被災地の前町長は、「私が思うに、福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは、被ばくしたからですよ」と断言します。これでは個人的な感想をもとに「福島にはもう住めない」といっているようなものですから、風評被害との抗議が殺到するのは当たり前です。 この騒動については、「表現の自由」として擁護する声もあります。これをどう考えればいいのでしょうか。 前提として、私たちの社会ではあらゆる主張に科学的データが求められるわけではありません。 「ふくらはぎをもめば長生きできる」というが売れていますが、こうした健康の多くはその効果が医学的に証明されているわけではありません。それでも社会問題にならないのは、みんなが1日5分ふくらはぎをもむようになってもさしたる悪影響がないからでしょう。 厚生労働

    反原発派こそが似非科学を批判すべきだ 週刊プレイボーイ連載(148) – 橘玲 公式BLOG
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