使用済み核燃料貯蔵プールに放水すると、一時的には大気中への放射性物質の放出を引き起こすかもしれないが、やらないよりはやった方がよい――。米科学誌サイエンス(電子版)が専門家の話をまとめて発表した。 福島第一原発1〜6号機の使用済み燃料プールでは、冷却システムが動かなくなったため、燃料が出す熱で水が干上がり、燃料が露出して過熱、損傷することが心配され、自衛隊や東京消防庁などによる放水作業が進められている。 サイエンス誌によると、核燃料が格納容器などで覆われている原子炉より、貯蔵プールのほうが深刻な事態になりうるという。プールの水が蒸発し、露出して過熱した燃料棒に水がかかると、放射性物質を含んだ蒸気が噴き上がる恐れがある。 また、過熱した核燃料が溶け出してプールの底にたまった状態で水がかかると、発電中の原子炉内部と同じような核反応(臨界反応)が始まる可能性があり、有害な放射線が大量に生み