本連載は、カオスエンジニアリングの概要や求められる背景、実践的な障害挿入の仕方や気を付けておきたい注意点などについて、エンタープライズシステムの設計開発に長年従事してきた現場エンジニアの視点から解説します。第1回は、なぜカオスエンジニアリングが求められるのか、その背景と、実践のプロセスについて紹介します。 はじめに カオスエンジニアリングとは、本番環境が障害等による不安定な状況にも耐えられることができるという自信をつけるための方法論です。正常稼働中の本番システム上でわざと障害を発生させて、自動修復システムの動作を確認する手法はカオスエンジニアリングの代表例ではありますが、これがすべてではなく、そこに至るまでのステップで開発チームに対して多くのプラスの効果を生みます。 カオスを導入する一般的な方法は、システムコンポーネントの障害を引き起こすエラーを意図的に挿入することです。例えば、APIアプ
![エンタープライズでも注目の「カオスエンジニアリング」とは何か? 求められる背景と実践のプロセス](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2738e92bf2e5153a5e0209b2575a85b5bc5c82fd/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcodezine.jp%2Fstatic%2Fimages%2Farticle%2F14526%2Fchaos_engineering_ogp.png)