2011年にメロディ・マクロスキーが美容室の予約プラットフォーム「StyleSeat」の構想を投資家たちにプレゼンした時、彼らの反応は芳しいものではなかった。 「どの会議室でも笑い飛ばされた」とマクロスキーは言う。「美容業界のスタートアップがシリコンバレーで資金集めだなんて、バカげているとね」 StyleSeatの仕組みは決して複雑ではない。レストラン予約サービス「オープンテーブル」の美容室版と言えるサイトで、ヘアスタイリストをはじめとする美容のプロの検索・予約サービスを提供するほか、加盟するスタイリストに対しては顧客やスケジュール管理のツールを提供する。しかし、テック系の投資家たちは500億ドル(約5兆230億円)の美容サービス市場に見向きもしなかった(マクロスキーは「彼らの3分の1は髪がなかった」と振り返る)。 利用者の75%が女性で、人種が多岐にわたることもマイナス要素だった。「顧客