「我々は知らねばならず、そして知るであろう」 ドイツが生んだ大数学者であり、「現代数学の父」と呼ばれた天才ダフィット・ヒルベルトは、このスローガンをかかげて世界の数学者を激励しました。 ドイツが第一次世界大戦とベルサイユ条約による打撃から回復し、ヨーロッパにナチスの足音が聞こえ始めた1930年(昭和5年)に、すでに晩年にあったヒルベルトによるこのスローガンから、コンピュータサイエンスの壮大なドラマが始まります。 1.数学者に禅問答を課した「ヒルベルト・プログラム」時は遡ること19世紀最後の1900年(明治33年)、ヒルベルトは「20世紀で解決されるべき重要な未解決問題」を発表しました。これが「ヒルベルト・プログラム」です。 これには、次の2つの難題が含まれていました。 ・数学は宇宙を完璧に記述できることを証明せよ ・食卓に出されたスパゲティがうまいかまずいかを食べる前に決定せよ……もちろん
![10分で分かるゲーデルの不完全性定理 ~ いまさら聞けないコンピュータサイエンス【連載第1話】|藤田肇(Hajime Fujita)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9d50c1a861f91aa04d06c3279b95abb19c703b42/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F18239387%2Frectangle_large_type_2_470657b2732b3ee8bbf05291a25eaa95.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)