人はなぜ不倫をするのか。社会学者の上野千鶴子氏は、「むしろ、不倫しない人はなぜしないのか。結婚して性的な身体の自由を手放すなんて恐ろしい」という。男女関係や不倫について20年以上取材を続ける、フリーライターの亀山早苗氏が話を聞いた——。
90年代以降、勢いを失っていった 音楽のすばらしさを言葉で語り尽くすことはできません。しかし人間は、確かに音楽によって心を癒され、励まされたり勇気づけられたりすることがあります。これほど神秘的でおもしろい世界は、他になかなかありません。 そんなすばらしい音楽を、一人でも多くの人が享受できる。それこそが望ましい社会だと私は思います。クラシック音楽には心の琴線に触れるすばらしいものがたくさんありますから、分け隔てなく多くの人が楽しみ、感動を受け取れる存在であるべきだと思います。”高級な音楽”とカテゴライズされることで、聴かれる機会が減ってしまうのは残念なことです。 しかし今、クラシック音楽界は、残念ながら衰退の道を辿っているといわざるをえません。私自身、自戒の念をもって、これまで私たちは、クラシック音楽のすばらしさを人々に知ってもらうための十分な努力をしてきたのか、今の世の中に受け入れてもらえ
エレベーター待ちは労働時間でないのか IT企業の楽天は2015年、それまで複数拠点があったオフィスを二子玉川再開発地区のオフィスビル・楽天クリムゾンハウスに移転集約化を果たした。楽天クリムゾンハウスは、その名の通り、社員が家のように快適に働ける環境を整備すべく、オフィスと家の中間のような“ハウス”をつくることをコンセプトに、同社が整備した働き方改革の1つだ。ビル内には、無料社食のほか社員が子供を預けられる託児所、スポーツジムなど社員が心地よく働ける施設が多く入居している。 だが現在、そんな先進的企業で働く社員たちを悩ませるある問題が起きている。それが、駅からビルに向かって続く、朝のエレベーター渋滞だ。 「出社定時である朝9時の渋滞はかなりひどいです。ビルのエントランスに着いても、10分以上待たされることもざら。会社に着いているのに仕事ができない。エレベーターがなかなか来ないせいで遅刻する社
日本で人工妊娠中絶を行うと、約15万円の医療費は自己負担で、手術では、金属製の器具で子宮内をかき出す「掻爬そうは法」が行われることが少なくない。だが、海外では真空吸引法と薬剤使用が主流だ。また「中絶無料」という国もある。なぜ日本は女性にばかり負担を押しつけるのか。産婦人科医の遠見才希子氏が解説する——。 推計では「日本女性の6人に1人」に中絶の経験がある 人工妊娠中絶(以下、中絶)は、さまざまな理由によって妊娠を継続できないときにその妊娠を中断するために行われる。日本には、明治時代(1907年)に制定された「堕胎罪」がいまだに存在しているが、1948年に制定された旧優生保護法(現在は母体保護法)によって、一定の条件を満たした場合の中絶が認められた。したがって、「堕胎」と「中絶」は異なり、中絶は日本では合法だ。 日本の総中絶報告件数は年々減少しているが、それでも年間16万4621件(※1)(
50件以上訴えられても賠償金は未払いのまま 「2ちゃんねる」(現在は5ちゃんねる)と「ニコニコ動画」、という「平成」日本を代表するネットコンテンツの生みの親・西村博之氏(以下、〈ひろゆき〉)は、これまで幾度となく「逮捕」や「摘発」が取り沙汰されてきました。 実際、平成24年(2012年)12月20日には、麻薬特例法違反(あおり、唆し)幇助の疑いで、警視庁から東京地方検察庁に書類送検されています(その後、不起訴処分)(*1)。また、翌平成25年(2013年)8月には、2ちゃんねるの広告収入約3.5億円を受け取り、うち約1億円について申告漏れを東京国税局から指摘されたと報道されています(*2)。 週刊誌の見出しで言えば、「警視庁がたくらむ『2ちゃんねる撲滅作戦』」(『週刊朝日』2011年12月16日号)のような煽あおり文句が躍ったことも1度や2度ではありません。 また、平成19年(2007年)
大の大人が作業してもほんのわずかの金額にしかならないベルマーク活動。有給を取ってまで、子どもと遊ぶ時間を奪われてまでやる必要があるのだろうか。PTA会費が毎年余っているのに、そして誰もがその生産性の低さに気づいているのに、ベルマーク集めをやめない理由とは? PTAは学校の「お手伝いさん」 私自身、会員の時には知る由もなかったが、実はPTAには各学校→区市町村→都道府県→全国という縦の系列がある。PTAの全国組織が「公益社団法人 日本PTA全国協議会」なのだが、協議会が発行する『PTA応援マニュアル』という本において、PTAの活動内容は以下のように解説されている。 真っ先に出てくるのが、「学校行事の運営を手伝う」。すなわち、PTAに最も期待されているのは、学校の「お手伝いさん」という役割なのだ。だから文化祭で自分の子どもの演技を見たいのに、来賓へのお茶出しをしないといけなくなるわけだ。 次の
Siri、コンピュータ将棋ソフト、お掃除ロボットにスマートスピーカーなど、AI(人工知能)技術は身近なものとなっている。だが、人間がAIの判断に依存することで、考える力を失ってしまう世代が生まれてくるという。いま、どのような教育が必要なのか。 新聞を読まない人の、おそるべき傾向 【新井】これからAI時代が本格的に到来する中、生まれたときからAIの判断と推薦によって生きることになる世代を、私は「デジタルネーティブ」ではなく「AIネーティブ」と名付けています。 例えば、YouTubeで電車の動画を見ていると、次はこれを見たらいいとどんどん推薦してきますね。子どもは自分から何かを探すわけではなく、AIに推薦されたことに無意識に従って生きていく。そんな子どもたちがこれから育ってくるのです。 【佐藤】タブレット型学習法によく似ていますね。 【新井】ええ。AIネーティブの子どもたちが育つとき、自分が本
ベストセラー『思考の整理学』の著者である外山滋比古さんは、94歳となったいまでも広い分野で研究を続けている。「40代からの知的生活術」について聞いたところ、外山さんは「本の知識が役立つのは30代まで。40歳を過ぎたら本に頼らず、自分で考えることが必要です」といいます。その理由とは――。 ※本稿は、「プレジデント」(2017年10月2日号)の掲載記事を再編集したものです。 もっと自然に、楽しく、面白く生きることを考えよう ――若いときも将来のことを考えると不安でしたが、中年になっても相変わらず不安です。むしろ日々の仕事に加え、家のローンや、教育費、親の介護などリアルな問題が山積みで知的生活どころじゃない。でも、前向きに新しいことに挑戦していく意欲は必要ですよね? 挑戦だとか、そんな大袈裟なことしなくてもいいんです。そうじゃなくて、納得のいくことをきちんとやる。「偉くなる」だとか、「金が貯まる
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