「使える」人、能力を持った人という考えかたは、「問題の解決にあたって実用的な偏見を獲得した人」と言い換えてもいいのだと思う。 頭の棚は便利 知識を習得する際に、「この知識はこの場所に」という、頭の中に知識の居場所を作ってから教科書にあたると、勉強が捗るような気がする。知識の居場所を作るということは、要するにその分野をあらかじめ概観することだから、これはある意味当たり前ではあるにせよ。 ある分野の勉強自体が仕事になっている人達は、誰もがたぶん、頭の中に脳内地図みたいなものを作っておいて、その地図に従って知識を格納している。教科書や論文は、知識の居場所を作らないまま、ただ漠然と読んでしまうと、せっかくの知識が頭に残らない。獲得した知識をどんなルールで配列、格納しているのか。そうした配列の考えかたを、いつ、どうやって知ったのか。配列の一番最初、「空っぽの棚」に相当するものを、頭の中にどうやって作
「改革」は常に必要で、それなりにうまく回っている職場においてもまた、 定期的に新しい技術が導入されて、現場には、「複雑さ」が付加される。 技術者の人達は、「それが入ることによって出来ること」を強調するけれど、 宣伝されたすばらしい未来は、来てみれば案外役に立たなかったり、手続きが複雑になるだけだったり、 価値を実感できないことも多い。 技術はたぶん、「それが入って何が出来るのか」を問うよりも、むしろ 「それが入ることで、現場から何を不要にできるのか」を考えたほうが、 価値をより正確に判断できる。 「何も引けない」新技術というものは、おそらくはたいていの場合、結果の改善に寄与しない。 ガンマ単位の昔 昇圧薬を使うときには、昔はガンマ単位を計算した。 患者さんの体重あたり、必要な量を小数点以下まで計算して、その人なりの、 昇圧薬の使いかたを表にして、血圧をコントロールするやりかた。中身は全く同
西原理恵子の新刊 「この世で一番大事なカネの話」からの抜き書き。 努力のしかた 順位に目がくらんで、戦う相手を間違えちゃあ、いけない 目標は「トップになること」じゃない。これだけは譲れない、大切な目標を実現すること 肝心なのは、トップと自分の順位を比べて卑屈になることじゃない。最下位でも出来ることを探すこと。自分の得意なものと、限界点を知ること。やりたいこと、やれることの着地点を探すこと。最下位の人間には、最下位の戦いかたがある 「どうしたら夢が叶うか」って考えると、全部あきらめてしまいそうになる。「どうしたらそれで稼げるか」って考えれば、必ず、次の一手が見えてくる 「カネ」を失うことで見えてくるもの 銀玉親方に教わったのは、まず「負けてもちゃんと笑っていること」。これはギャンブルのマナーの、基本中の基本 ギャンブルでした失敗を、もし、どうにも笑えなくなったなら、それはもう、その人が受け止
技術が成熟する、ということは、求められる機能が、デザインへと包埋されていく過程なんだろうと思う。 ベテランは無造作に切る 熟練した外科医は、腕を上げるほどに、あたかもそれが簡単なものであるかのようにメスを動かして、 臓器を無造作に切っていくようにみえる。動作はたしかに簡単そうなんだけれど、 「じゃあ同じことをしてごらん」なんて言われても、簡単そうなのに、絶対に再現できない。 内視鏡の大家は、やっぱり簡単そうに、内視鏡を操作する。 上手な人の内視鏡は、最初からそれが当然であるかのように、 カメラはまっすぐ、目標に近づいていく。これを見るのとやるのとでは大違いで、 胃の「地形」はすごく複雑だから、まっすぐ進むのは難しいし、 そもそも自分がどこにいるのか、カメラを始めたばっかりの頃は、胃の中で道に迷ったりする。 手を動かすのは疲れる。手の動かしかたは、だからなるべく疲れないように、 同じ結果を出
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