河合克敏という人は、僕にとってはちょっと変わった作家だ。いや、スポーツマンガとしては『帯をギュッとね!』も『モンキーターン』も十分王道の部類に入ると思うのだけれども、そうではなく、少年誌ラブコメの担い手としての河合克敏が、である。 そもそもスポーツマンガである作品をラブコメとして読むのがどうなのかという話はあるのだが、基本的に僕にとってはいい感じの男女の話が出てきたら、それはまずラブコメだ。(『3年』時代はともかく)『ハイスクール!奇面組』(新沢基栄)はラブコメだし、『SLUMDUNK』(井上雄彦)は結局晴子さんとの決着つかないことにモヤモヤ感じたりする。ラブコメ脳というのはそういうものだ。 で、河合克敏だ。河合克敏作品というのは、びっくりするほど恋愛関係があっさり提示される。『帯をギュッとね!』を最初に読んだとき、いきなり主人公に彼女がいるという設定に腰を抜かした。 もちろん現実にはそう