どうせ「結論ありき」の人。聞かれたら即、「Z型」といおう 大阪大学サイバーメディアセンター教授 菊池 誠●1958年生まれ。東北大学大学院理学研究科博士後期課程修了(理学博士)。専門は学際計算統計物理。SFの解説や翻訳も手がける。 4冊累計で500万部を突破した『自分の説明書』シリーズで最初に発売されたのは「B型」だった。ネガティブに評価されやすいB型を取り上げれば、読者の関心を集められると考えたのだろう。これはB型が差別されているという証拠にほかならない。血液型という後天的に変えられない属性への差別は、陰湿でタチが悪い。 この問題が根深いのは、「血液型で性格が決まる」という問題設定が十分に科学的だからだ。「物質はなくならない(=質量保存の法則)」「無からエネルギーは生じない(=エネルギー保存の法則)」といった科学の基本法則に反した問題設定ならば、即座に「間違っている」と判断できる。だが