藤幡正樹 カッセルにドクメンタを観に行った。思った以上に楽しかったので、ここに報告させて貰うことにした。実際、今年のドクメンタは全体的に不評のようで、友人によればドイツ中の新聞や雑誌が軒並みこき下ろしているらしい。「自己正当化の神殿」(Zeit紙)、「要するに、難しく見せるということが重要なのだ」(Der Spiegel誌)、「まごうことなき大失敗」(Die Welt紙)、「今回のドクメンタはとても難しい」(focus誌)、「もしかしたらアートの役割は終わったのか? メディアが伝えるドクメンタ」(HNA)、南ドイツ新聞は「観客に指図するドクメンタ—アーティストもキュレーターも啓蒙せずに単純なメッセージに走り、政治ショーと化している」。今年を「スーパー・アートイヤー」と題して特集を打っているFAZ誌は好意的ではあるが、「今年のドクメンタは何から何まで違う」「ドクメンタではなくモニュメンタ——