独立行政法人「水産総合研究センター」(横浜市)が、すしなどの高級食材として人気が高い「クロマグロ」を陸上の巨大な水槽で産卵させ、稚魚まで育てる養殖計画を6月8日から始める。 陸上でのクロマグロの養殖は世界初。4年後に約10万匹の稚魚の供給を目指す。成功すれば、クロマグロの価格安定につながりそうだ。 長崎市内に設置した直径20メートル、深さ6メートルの円柱形の水槽2基にそれぞれ100匹ずつ生後2年のマグロを入れ、2年後に採卵。その卵を鹿児島県・加計呂麻(かけろま)島の水槽に空輸し、約6センチの稚魚に成長したところで、海上のいけすに放って育てる計画だ。 現在、クロマグロの養殖の多くは海で捕獲した天然の稚魚をいけすに移して育てるため、稚魚の乱獲の懸念が出ている。海上のいけすで産卵から始める完全養殖も一部で進められているが、海水温や気象条件の変化で計画通りに採卵できないなどの難点が多い。 これに対