心電図が苦手なナースのための解説書『アクティブ心電図』より。 今回は、電解質異常の心電図について解説します。 田中喜美夫 田中循環器内科クリニック院長 [前回の内容] 肺高血圧症~肺性心の心電図 〈目次〉 電解質異常とは何か 心電図所見は 注意点は 電解質異常とは何か 電解質はいわゆるミネラルで、体内にはナトリウム、カリウム、カルシウム、リンなどさまざまな電解質が存在していますが、心電図に影響が大きく、かつ日常問題になる電解質として、ここでは、カリウム(K)とカルシウム(Ca)について説明します。 体内の電解質には、適正な濃度があって、増えすぎたり減りすぎたりすると、生命活動がうまくいかなくなります。通常は腎臓を中心にこの適正濃度を維持していますが、腎機能低下やホルモン異常などで、電解質濃度に異常をきたすことがあります。 電解質異常の心電図所見は 高カリウム血症(血清カリウム>5.5mEq
DNR(でぃーえぬあーる)とは、患者の容態が急変して心停止してしまっても、心肺蘇生を行わないことである。(do not resuscitate)。 この意思表示は、患者あるいは患者の家族などによって決定される。DNRの意思表示があった場合は、その旨をDNRシート※1に記載する。DNRは、あくまで心肺蘇生を行うかどうかにのみ関与しているため、その他の治療は、DNRの有無に関係なく続けられる。 DNRは蘇生する可能性が低くなった状況下で求められる判断材料であるが、蘇生できる可能性がある患者も対象であるという言い方に聞こえかねないということもあり、DNAR※2という言い方が主流になっている。 ※1DNRシート:容態が急変して回復の見込みがなくなった場合に、蘇生措置を行うかどうかについての要望を記載する用紙のことである。 ※2DNAR(do not attempt resucitation):蘇生
1:準備する 患者さんの殿部の下に吸湿性の防水シートを敷き、取り出した便を置くためのトイレットペーパーを敷いた膿盆などをそばに置いておきます。 手袋を装着します。摘便する側の手袋は二重がおすすめです。 示指には潤滑ゼリーをたっぷりつけておきます。 2:示指挿入前に指の感覚に慣れてもらう 示指で何度か肛門の表面をなでて緊張を取ります。このとき、まだ指は肛門内に挿入しません。 なでる向きは自然に動かしやすい腹側から背中側へ、数回繰り返します。 なでる強さは弱すぎるとくすぐったくて逆効果。手の甲をなでたときにくすぐったさを感じない程度には強い方が良いでしょう。 3:示指を挿入して便に触れたら、便の性状と量を確認する 次に、肛門内に示指をゆっくり挿入します。 便の性状と量を確認します。 直腸内にある便が軟便なら、示指は抵抗なく根本まで挿入できます。→軟便の場合へ 挿入した指に硬い便を触れたら、そこ
『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』より転載。 今回は「NPPVで使用するモードと設定」に関するQ&Aです。 小山昌利 公立陶生病院臨床工学部主任 〈目次〉 IPAPとEPAP NPPVに使用される換気モード NPPVの設定(換気モード以外) IPAPとEPAP NPPVでは、吸気時に付加する圧力をIPAP(アイパップ/吸気気道陽圧)、呼気時に負荷する圧力をEPAP(イーパップ/呼気気道陽圧)という。 IPAPとEPAPの圧力差が、呼吸をサポートする圧(サポート圧=PS圧)となり、呼吸不全を改善する(図1)。 図1IPAPとEPAP NPPVに使用される換気モード 図2NPPVに使用される換気モードと特徴 1CPAP(シーパップ)モード 一定の陽圧を気道内にかけることによって、膨らみにくくなっている病的肺を広げる。それにより、機能的残気量の増加、酸素化の改善や睡眠時などに起こる上気道閉塞を解
心電図が苦手なナースのための解説書『アクティブ心電図』より。 今回は、ペースメーカーの種類と適応について解説します。 田中喜美夫 田中循環器内科クリニック院長 〈目次〉 ペースメーカーとは何か 体外式と植え込み型 ペーシング部位は ペースメーカーの機能は ペースメーカーの種類はどんなものがあるか どんな場合にどんなペースメーカーを入れるのか ペースメーカーとは何か 原点に立ち返ってみましょう。心筋は脱分極による個々の心筋細胞の短縮によって、全体として心臓内腔の容積を減らす“収縮”という仕事を行います。 正常では、洞結節の自発的・周期的脱分極が心房に波及して、心房を収縮させ、その興奮が房室結節・ヒス束を経て心室を脱分極させ、心室が収縮します。 洞結節が周期的に電位を発生して、心臓の拍動リズムをつくるゆえに、洞結節はペースメーカー(pacemaker:PM)といわれているわけです。 この周期的
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く