義務教育で必要なのは、留年制度じゃなくて、補修制度なのだと思う。 ある何かができなかった生徒に対し、その学年の経験をもう一度させる必要はなくて、そのできなかった何かをわかるまで教えることなんだと思う。 初等教育なんてのはつまるところ積み重ね。理解できた物事の上に、新たな理解を積んでいく。 「何かができなかった」という場合、単純にそれが難しいわけじゃなくて、難しくしている理由がある。即ち、前提段階の理解が欠けているため、次のステップに進めない。 算数で言えば、分数は割り算を理解していた方がわかりやすいし、割り算を理解するには、掛け算を理解しておいた方がいいし、九九を覚えておいた方がいい。 物事を理解するには順序があって、その順序をデタラメにすると、知識が体系だって得られない。 留年ってのは「わからない」という結果に対し、「何故わからないのか」を調べることなく課すことができる。「何故わからない