名古屋出入国在留管理局で収容中だったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題で、名古屋第一検察審査会は26日、当時の局長ら職員13人を不起訴(嫌疑なし)とした名古屋地検の処分について「不起訴不当」とする議決書を公表した。 議決は21日付。議決書では、告訴・告発の容疑となっていた殺人や保護責任者遺棄致死の罪については検察の判断が妥当だと指摘。しかし、入管側が適切な対応を取っていれば「救命も可能だった」とし、この点の捜査が不十分と言わざるをえないと言及。業務上過失致死罪の成否を再検討するのが相当だと結論付けた。 地検が再捜査し、刑事責任を問えるかを改めて判断する。 出入国在留管理庁の調査報告書によると、ウィシュマさんは2017年に留学生として来日。20年8月に不法残留容疑で逮捕され、名古屋入管に収容。昨年1月に体調が悪化し、2月15日の尿検査では「飢餓状態」を示す結果