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ブックマーク / book.asahi.com (95)

  • 「ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか」書評 困惑にじむ、貴重な取材報告|好書好日

    ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか 著者:ジョン・スウィーニー 出版社:亜紀書房 ジャンル:哲学・思想・宗教・心理 ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか [著]ジョン・スウィーニー はやりの自己啓発書みたいなタイトルだけれど、原題は「恐怖の教会」(The Church of Fear)。サイエントロジー教会という新興宗教に対する取材経験をつづったルポだ。 ちょっと邦題詐欺のようなところがあって、トム・クルーズやジョン・トラボルタといった名だたるハリウッドスターがこの宗教に「なぜはまるのか」という理由は解き明かされていない。けれど、貴重な取材報告であることは間違いない。 アメリカのSF作家、L・ロン・ハバードがつくったこの宗教は、精神医学を否定し、独自の歴史観を有している。7500万年前、銀河連合の長である「ジヌー」は、セイタンと呼ばれる生命体を地球に送り、火山の中で水素爆

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    dowhile 2015/02/24
  • コラム別に読む : 聞き出す力 吉田豪さん - 鈴木京一 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    dowhile 2015/02/09
  • asahi.com(朝日新聞社):「何でもあり」の新書ブーム、市場沸騰 書店棚ぎっしり - 出版ニュース - BOOK

    「何でもあり」の新書ブーム、市場沸騰 書店棚ぎっしり2009年3月12日書店に積まれる新書の新刊=東京・池袋のジュンク堂書店池袋店 屋を歩けば嫌でも目につく新書の山。点数は膨大で、内容もルポものや歴史、経済からタレントまで、フィクション以外なら何でもあり、の状態だ。どれを読めばいいか迷う読者向けに「最強の新書はこれだ!」を売り文句にしたガイドまで登場した。「百花繚乱(ひゃっかりょうらん)」とも言われるブームだが、出版不況の象徴という厳しい見方もある。(竹端直樹) ■新規参入 書店棚ぎっしり 「いま最も読むべき46冊が決定」と銘打った『新書大賞2009』が10日、「中央公論」別冊として発売された。「新書に造詣(ぞうけい)の深い書店員と新書編集部計60人」による投票を実施。1500点以上の中から『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤未果、岩波新書)が大賞に選ばれた。 担当編集者の田中正敏さ

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    dowhile 2015/01/24
  • コラム別に読む : 21世紀の資本 [著]トマ・ピケティ [訳]山形浩生、守岡桜、森本正史 - 永江朗 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■民主主義を守る信念 資主義っていうのは、資家がいちばん得する制度なんだよ。学生のころ、先輩にこういわれた。なんとも大雑把な話だが、トマ・ピケティの『21世紀の資』もそういうことだ。マルクスの『資論』もそうだった。ついでにいうと、ロバート・キヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』も。 マルクスは「起て、万国の労働者」と呼びかけ、キヨサキは「ビジネスを始めよう」といった。ピケティは、「資にもっと課税を。それも累進課税を」という。 『21世紀の資』は日で刊行される前から話題になっていた。2013年秋に原著がフランスで刊行されると、半年で13万部も売れた。14年4月に英訳版が出ると3カ月で40万部も売れた。 ピケティがいっていることはシンプルだ。所得の成長率を資の収益率が上回ると格差が拡大する。これを18世紀から現代までの主に西欧と北米についてさまざまなデータを分析することによって立

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    dowhile 2015/01/24
  • 「人道的帝国主義」書評 論理的な批判、切れ味も鋭く|好書好日

    人道的帝国主義 民主国家アメリカの偽善と反戦平和運動の実像 著者:ジャン・ブリクモン 出版社:新評論 ジャンル:社会・時事・政治・行政 人道的帝国主義―民主国家アメリカの偽善と反戦平和運動の実像 [著]ジャン・ブリクモン 書を読み進むうちに、すぐに気づくことがある。とにかく自らの論を説明するのに、これには二つの見方があるとか、明確にすべき三つの点があるとかいった具合の記述が多いのだ。著者はベルギーの理論物理学者という。なるほど説明が論理的で整合性が尊ばれている。もう一つは、歴史の空間を自在に走り回り、アメリカ政治、外交のもつドグマと進歩主義者、エコロジスト、平和運動家の論理に、徹底したメスを入れていることだ。著者は人権主義左派との立場だそうだが、それゆえか、そのメスの切れ味には驚かされる。 「書の目的は思想戦を行うこと」「(帝国主義とは)第三世界における西欧の植民地政策、新植民地政策

    「人道的帝国主義」書評 論理的な批判、切れ味も鋭く|好書好日
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    dowhile 2015/01/13
  • コラム別に読む : 税金を払わない巨大企業 [著]富岡幸雄 - 長薗安浩 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■この負担率の軽さは、やはり奇異だ この4月に消費税が8%に上がって以降、日経済は誰が見ても停滞している。このような状況下で、安倍晋三首相はさらなる消費税アップを決断するのか……。国際公約だから上げざるを得ないとの見方が強いが、その一方で首相は、法人税の引き下げについては早々に明言している。経済界からの強い要請を受けて判断したらしいが、そもそも、当に日の法人税は高いのか? 中央大学名誉教授の富岡幸雄は、実態を調べるため、2013年3月期の大企業の実効税負担率(法人税納付額÷企業利益相当額)に着眼。困難な作業の末に「実効税負担率が低い大企業35社」を割り出し、この『税金を払わない巨大企業』で実名を発表した。 一見して、驚いた。たとえば1位の三井住友フィナンシャルグループは、0.002%となっている。税引前純利益が1479億円強あっても、支払った法人税等は300万円なのだ。以下、2位にソ

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  • 「男色の日本史」書評 正面から向き合い、真摯に分析|好書好日

    男色の日史 なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか 著者:ゲイリー・P.リュープ 出版社:作品社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 男色の日史―なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか [著]ゲイリー・P・リュープ あったことは感得できる。けれど、どう説明したらいいのか分からない——ということが、歴史にはよくある。その昔は中世の仏教がそうであった。八百万(やおよろず)の神々を祀(まつ)る朝廷で盛んに法会が催され、僧侶が政治的影響力をもつ。これを1970年ごろ、黒田俊雄は「権門体制論」の中でスパッと説明してみせた。 仏教寺院を一大拠点として隆盛を見た(この点でキリスト教の教会とは異なる)男色(なんしょく)も、まさにそうしたものである。高貴な階層から庶民まで、日人は男色を好んだ。これは疑いなさそうだ。でも、その理由は? 実態は? そこで書の出番と相成る。 日史を専攻するタフツ大学教授による

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    dowhile 2014/10/14
  • コラム別に読む : リトル・ニモ 1905—1914 [作]ウィンザー・マッケイ [訳]小野耕世 - ササキバラ・ゴウ(まんが編集者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    dowhile 2014/09/29
  • 「空き家問題」書評 人間が空間を私有するこわさ|好書好日

    空き家問題 [著]牧野知弘/「空き家」が蝕む日 [著]長嶋修 2040年の日では、10軒のうち4軒が空き家になるそうである。 ショックである。少子高齢化とか出生率の低下というと、何かヒトゴトで抽象的な社会現象に思えて、リアリティがない。しかし「町に空き家が溢(あふ)れる」と聞き、さらに、これが地方の過疎地だけの問題ではなく、東京も空き家だらけになるという科学的予想に接し、暗澹(あんたん)たる気分になった。読了して町を歩くと、空き家ばかりが目にはいってきて、東京が低層スラムにみえてきた。空き家率3割を超えると、途端に治安も悪化するらしいから、すぐ明日の話である。 原因についての分析も興味深い。高度成長が終わり、少子高齢化の低成長時代に突入しているにかかわらず、家を新築させることで、景気を浮揚させるという政策が惰性的に続いたこと。その政策に頼って収益をあげてきた民間企業も、政策に甘え、新し

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  • 『「ニセ医学」に騙されないために』書評 インチキ予防に「読むワクチン」|好書好日

    「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る! 著者:NATROM 出版社:メタモル出版 ジャンル:暮らし・実用 「ニセ医学」に騙されないために——危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る! [著]NATROM 「水に汚い言葉をかけると壊れた結晶になる」だの、「EM菌なるものを河川などに投入すると浄化作用がある」だの、今でも多くのニセ科学が広がっている。根拠がないにもかかわらず、科学のフリをするニセ科学。荒唐無稽のようでいて、その伝播(でんぱ)力は侮れない。 書が取り扱うニセ医学も、ニセ科学の一種だ。「医学のふりをしているが医学的な根拠のない、インチキ医学」であるニセ医学は、人々に無駄な努力を促し、治療機会を逃すことに加担する。時には、具体的に人の健康を損なう。 がん治療を否定する独自理論、ワクチン有害論、医療介入を極端に避ける自然分娩(ぶんべん)至上主義

    『「ニセ医学」に騙されないために』書評 インチキ予防に「読むワクチン」|好書好日
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    dowhile 2014/09/09
  • 本の記事 : 新潮文庫、ラノベ進出へ 創刊100年を機に、復刻版も - 板垣麻衣子 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    新潮文庫が今年、創刊100年を迎えた。新潮社は創刊の復刻版セットを刊行するとともに、ライトノベルにも参入。記念の年に盛り上げをはかる。 1914年9月、東京朝日新聞で創刊を告知した。27年創刊の岩波文庫よりも13年早く、現在も刊行を続ける文庫ブランドとしては最も古い。戦時中などに刊行を中断しながらも、1万点を超える国内外の名作を世に送り出してきた。部数の1位は700万部超の夏目漱石『こころ』だ。 復刻されるのは、トルストイ『人生論』、シェークスピア『ロメオとジュリエット』など、海外文学の名著5冊の箱入りセット(体1万4千円)=写真。サイズは現在の文庫版より一回り小さな四六半裁判(135ミリ×94ミリ)で、当時を忠実に再現するため、注文を受けてから手作業で製する。 創刊時の価格は約25銭(現在の貨幣価値で約2500円)。決して安価ではなかったが、海外文学を広い読者に紹介することに貢献し

    本の記事 : 新潮文庫、ラノベ進出へ 創刊100年を機に、復刻版も - 板垣麻衣子 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    dowhile 2014/09/06
  • コミック・ブレーク (広告特集) : 〈私のコミック履歴書〉映画プロデューサー、作家 川村元気さん - 朝日新聞社広告局 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■モノローグの強さ ――マンガは読むほうですか。 川村 はい、子供の頃からずいぶん読みました。最初にハマった作品は『ドラえもん』。あの短いページ数で鮮やかに喜怒哀楽を描いているんですよね。全巻集めて何回も読んでいるので、かなり影響を受けていると思います。藤子・F・不二雄先生は僕がいちばん尊敬するクリエーターの一人です。 ――F先生の他には、どんなマンガ家が好きなんでしょう? 川村 手塚治虫先生の主だった作品はすべて読んでいます。最初に『火の鳥』を読んで、マンガでここまで深い所まで行けるのか、と感動したのを覚えています。あとは井上雄彦さん、岩明均さん、松大洋さん。記憶に残るマンガの要素はふたつあって、まず「キャラクターが魅力的」なもの。『ドラえもん』は、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかというキャラクターが良かったから、あれだけ長く続いたんだと思います。一方松さんの『花男』や『鉄コン筋ク

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    dowhile 2014/06/20
  • コラム別に読む : 独居老人スタイル 都築響一さん - 大上朝美 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■ひとりで生きて何が悪い! の帯に「ひとりで生きて、なにが悪い!」とある。その通りだ。 「独居老人はかわいそうとか、みんなで見守りましょうとか、ここ数年、善意の上から目線がある。余計なお世話じゃないですか」。自身、「独居老人予備軍」を認ずる都築さんは憤るが、紹介された16人の暮らしぶりにはそんな力みすらなく、いたってさわやか。秋山祐徳太子、川崎ゆきおといった「知る人は知る」人物もいれば、首つりアクションを見せる首くくり栲象(たくぞう)、91歳で3点倒立を披露する伝説のアーティスト・ダダカン、普通のスナック・ママ……みな独りに自足し、好きに生きている。家が散らかっていようが「床を収納に使っている」だけなのだ。 「つつましやかで、金もないがストレスもない。こんなにハッピーな生き方の選択肢もあると、実は若い人たちに伝えたい」と語る。 若いうちから老後を案じ、空気を読んで自分を縛るような人生以外

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    dowhile 2014/04/15
  • 本の記事 : 東大准教授の安西信一さん死去 「ももクロの美学」著者 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    dowhile 2014/02/13
  • インタビュー : 福島の悲劇、希望に変えるため なぜ、第一原発「観光地化」か 東浩紀 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    福島第一原発を「観光」の核として生かそう――発表時から論議を呼んできた復興構想を、批評家の東浩紀が編著書『福島第一原発観光地化計画』=キーワード=にまとめた。東は以前、3・11後の課題は人々が「ばらばら」になってしまったことだと指摘していた。観光地化には、つながりを再生する狙いも込められていた。 ■ばらばらになった社会 つながり再生する狙い 「震災でぼくたちはばらばらになってしまった」と一昨年9月、東は書いた。低線量被曝(ひばく)の問題を例に、「考えれば考えるほど、ぼくたちは統計と数字の迷宮に囚(とら)われ、確率的な存在に変えられ、そして連帯を失っていく」と指摘している。放射能リスクにきしむ日社会を映した言葉だった。 昨年9月、東は「観光地化」のアイデアを公表する。 なぜ観光地化なのか。 「悲劇を希望に転換していくためです。僕たちは『あの悲劇があったからこそ今の新しい福島がある』という物

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    dowhile 2014/01/10
  • 「ニュートンと贋金づくり」書評 「怖い官僚」になった大科学者|好書好日

    ニュートンと贋金づくり 天才科学者が追った世紀の大犯罪 著者:トマス・レヴェンソン 出版社:白揚社 ジャンル:自然科学・環境 ニュートンと贋金づくり [著]トマス・レヴェンソン あの大科学者ニュートンは「金」に縁がある。長年ひそかに研究したのは錬金術だったし、当時の錬金術は「贋金づくり」と同義語に考えられた危ない探究だった。また晩年、彼は大バブル事件として有名な「南海泡沫(ほうまつ)事件」に乗っかり、長年蓄えた財産を投資してみごとに失敗した。 だが、王立造幣局の官僚となったニュートンが、英国経済を銀位制から金位制に変える方向付けを行ったことはほとんど知られていない。 30歳以前に科学上の大発見を連発したニュートンも、さすがに後半生は静かな思索生活に飽きあきしたらしく、名誉職であり実入りもいい王立造幣局監事という「閑職」を受けるのだが、あいにく当時の英国経済は崩壊の瀬戸際にあり、贋金づく

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    dowhile 2013/08/12
  • 「深海魚ってどんな魚」書評 大人の世界観、揺さぶる図鑑|好書好日

    深海魚ってどんな魚 驚きの形態から生態、利用 著者:尼岡 邦夫 出版社:ブックマン社 ジャンル:自然科学・環境 深海魚ってどんな魚―驚きの形態から生態、利用 [著]尼岡邦夫 ただの子ども向け学習図鑑と思ってはいけない。これは大人も驚かすである。 これまでの深海魚はピンボケ写真と干物のような標写真に失望させられたが、博物画に似せた白地の背景に実物標が見苦しくなく切り抜かれたビジュアルがようやく実現した。透明な頭部と球状の眼(め)を持つ奇魚デメニギスの鮮明な写真は、見るだけで世界観が変わる。 最新の写真を駆使し、これだけ細かに形態の仕組みや種類識別の手がかりを説明してもらうと、異次元の形態をした生物の心まで読めるような気分になる。 たとえばチョウチンアンコウの類。極小のオスが巨大なメスに寄生するのは有名だが、眼も鰭(ひれ)も失いイボ同然の姿で一生お世話になる「真性」型もいれば、繁殖期だ

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  • 「江戸の風評被害」書評 うわさの陰に思惑がうごめ|好書好日

    江戸の風評被害 [著]鈴木浩三 テレビやインターネットがない時代は、情報の伝達速度が遅いし、そのぶん噂(うわさ)も広まりにくかったのではないか、と漠然と思っていた。しかし江戸時代にも、噂はかなりの速度で広まったし、なかには風評被害を引き起こすような噂も多々あったということを、書を読んで知った。 「蕎麦(そば)をべると中毒死する」という噂が出まわり、お蕎麦屋さんが商売あがったりになる。「上水に毒が投入された」という噂が流れ、汲(く)み置いた水を捨てたり、「水源からここまで毒が流れてくるのには間があるだろう」と慌てて水を汲んだりと、人々がパニックに陥る。江戸の町は噂に振りまわされ、幕府はそのつど律義に、「大丈夫だから落ち着け」と、お触れを出すのだった。 「貨幣が改鋳される」という噂も、幕府が否定しても否定しても浮上した。江戸時代は「金・銀・銭」の三貨制だったうえに、江戸では主に金貨が、上方

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  • 「少女と魔法」書評 日本生まれの強く可愛い魔女|好書好日

    少女と魔法 ガールヒーローはいかに受容されたのか 著者:須川 亜紀子 出版社:NTT出版 ジャンル:社会・時事・政治・行政 少女と魔法―ガールヒーローはいかに受容されたのか [著]須川亜紀子 日の魔法少女物アニメ番組は、過去40年以上にもわたり放映されているという。少女メディア文化において、これは世界的にも稀(まれ)なケースだと筆者は指摘する。西欧では魔女は成人女性の力、美、知の象徴であり、それゆえ恐怖の対象として描かれてきた。たとえ善き魔女が描かれても、「奥様は魔女」のように白人美女が定番。だが、日のアニメ世界に輸入されたとき、魔女は少女と合体し、可愛らしく活発な「ガールヒーロー」に変身した。筆者は1960年代から近年までの魔法少女物を分析し、女性へ向けられた複雑な要請と眼差(まなざ)しを鮮やかに解析して行く。 60年代の「魔法使いサリー」は、あくまでも女性らしさを手放さず乱暴者の男

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    dowhile 2013/07/23
  • コラム別に読む : 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか [著]ジャレド・ダイアモンド - 斎藤環(精神科医) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■「科学的」読み解きに限界も 『銃・病原菌・鉄』のベストセラーで知られる著者は、そのとてつもない大風呂敷という点において、真に「知のエンターテイナー」の名に値する。書は彼の初期著作である『セックスはなぜ楽しいか』なる直球タイトルの改題文庫版である。 男女の違いを生物学的に解き明かした、という触れ込みのには常に一定の読者がつくし、ましてあのダイアモンドの著作となれば、ヒットは約束されたようなものだろう。 生物学的に見れば、人間の性は不合理きわまりない。(1)長期的な男女のペア関係、(2)夫婦共同での子育て、(3)ほかの性的カップルとの協力、(4)密(ひそ)かに行われる性交、(5)排卵の隠蔽(いんぺい)、(6)女性の閉経、などなど。著者はこうした特徴を、進化論的視点からさまざまに解釈を試みる。 評者はこの著者の“芸風”を、文化や文明の起源をひたすら“科学的に”語ろうとすること、と考えてい

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    dowhile 2013/07/07