クルーグマン、オブストフェルド、メリッツ『クルーグマン国際経済学 理論と政策』(原著第10版) 日本語版サポートページ 初版が登場した1980年代から、世界経済と国際金融制度は急激なグローバル化を見せ、幾多の世界経済危機、通貨危機が世界を襲いつつある。この教科書は1988年の初版以来、グローバル経済を分析し続ける世界トップ級の経済学者たちが、次々に生みだされる続ける国際経済と金融理論のエッセンスを平易に解説すると同時に、時事問題と実務への新たな示唆を改訂ごとにいちはやく取り入れ、現実の世界と格闘をつづけるダイナミックな定番教科書として名高い。 この原著第10版では、日本のアベノミクス、中国経済の見通し、2008年リーマンショックにはじまる通貨危機、その後のユーロ危機をめぐる解説や、新たなグローバル金融秩序構築の方向性までが、最先端理論をもとに平易に説明されている。ベーブ・ルースと比較優位、
大森望(とそれを敵視する人々)についてぼくが知っていた二、 三のこと:1980 年代からの遺恨とは (v.1.3) 山形浩生 * † 2015 年 12 月 21 日 概要 2014 年春に大森望が、SF 作家協会への入会を否決されたのは、 『オルタカルチャー日本版』に掲載され たセクハラと称される替え歌作成への関与を一部の人が確信しているからとも言われる。実際にはそうした 関与を裏付ける証拠はない。だがそうした人々の確信の背景には、かつて巽孝之が大森望のある文章にプラ イドを傷つけられたことがあるとされる。ではそのプライド損傷はどのように発生したのか? 本稿は、1980 年代の巽・岡本『一九八四年』論争と、大森・永瀬サイバーパンク論争をふりかえりつつ、 今日のわだかまりに到る道筋を山形なりに検討する。その直接の原因は、山形が知る限りたったひと言では あった。でもその背後には、1980 年
原文はこちら、(c) Copyright JASSS アクセルロッド『対立と協調の科学』書評:「しっぺ返し」はそんなにすごいものではありません Ken Binmore ELSE, Economics Department, University College London. (1998, JASSS vol 1, no 1.) 要約:ゲーム理論の偉い人、ビンモアによるアクセルロッド&「しっぺ返し戦略」称揚に対する強い批判。アクセルロッドは前著『つきあい方の科学』で反復型囚人のジレンマゲームのコンテストを開催し、ラポポートの「しっぺ返し」戦略がもっとも有力だった(そしてそれを進化型ゲームに適用しても有力だった)ということを根拠に、しっぺ返しがあらゆる協力の発生と成長の根幹となる原理だ、といわんばかりの主張を行い、それが一人歩きしている。でもこれが成功するのはごく一部の状況で、安易に一般化で
アイアンマウンテン報告 ――平和の可能性と望ましさに関する調査―― Report from Iron Mountain i ................................ ................................ ................................ ................................................................ ................................ ................................ ................................................................ ................................ ..........
ピケティ『21世紀の資本』 訳者解説 (v.1.1) 2015.1.23-2.1 山形浩生 hiyori13@alum.mit.edu この資料はクリエイティブコモンズ Attribution-ShareAlike 4.0 国際ライセンス下で公開されています. 今日の構成 • 1. 『21世紀の資本』とピケティのえらさ • 2. あらすじ: r > g から格差拡大へ • 3. 格差是正の処方箋は? • 4. ピケティ本の受容・誤解・批判 • 5. 日本への示唆とは? • 6. 落ち穂拾い 2 まずはじめに…… • ピケティの本と、ピケティの他の論文での記述と、 ピケティがインタビュー等での発言とは、分けて 考えよう! – 本がいちばんストイック。たぶん意図的に書いていな い話もかなりある。 – 前二つは、それなりにきちんと考えてまとめたものだ けど、インタビューは(特に日本のことなんかは
イスラム国躍進の構造と力 『公研』2014年10月号 「対話」 池内恵 VS 山形浩生 山形:イスラーム国の人たちの言動や行動を見ると、ずいぶんと前近代的で昔に戻ったかのような印象を受けます。その一方で彼らの意識には、中東の民主化への動きとも言える「アラブの春」が大きく関係しているのだと思います。池内さんは今回のイスラーム国の登場と「アラブの春」の関係をどのように捉えていらっしゃいますか。 池内:「アラブの春」が一回りしたことで中東地域に生まれた環境は、イスラーム国にとって非常に都合の良いものになりました。その環境と言うのは、中央政府の揺らぎ、弱体化であり周辺領域の統治の弛緩です。そこに、元来イスラーム国が依拠するイスラーム過激派の戦略論がぴたりと合わさった。9・11テロに対して、アメリカは大規模な対テロ戦争を展開し、イスラーム過激派は軍事的にも情報的にも経済的にも追い詰められました。それ
このインターネットサイトには以下の資料がある: 『21世紀の資本』の 目次 および 詳細目次 本書で挙げた 図表セット (英語版 (pdf)) 参照した 補遺の図表 (英語版 (pdf)) 情報源、手法、参考文献(特に図表の統計時系列データ構築) について)の専門補遺 (pdf) (英語版) Financial Timesからの批判に答えた専門補遺追加 (pdf) (英語版) すべての図表や統計データをまとめた Excel ファイル (xls) 圧縮版 (2 MB) ((英語版)) 以上すべてをまとめた圧縮ファイル (zip, 19 MB) (英語版) またこれらのファイルは、以下のディレクトリからもアクセスできる: 図表ディレクトリ "pdf" (英語版) または "xps" (英語版) 補遺図表ディレクトリ "pdf" (英語版) または "xps" (英語版) Excel ファイルデ
山形浩生の遺言状 -----BEGIN PGP SIGNED MESSAGE----- Hash: SHA1 山形浩生(以下、ぼく)が脳死状態に達したら、ぼくの著作や翻訳はすべて GPLのもとにおかれる。ぼくの相続人はぼくの著作や翻訳についてはいっさい 権利主張をしてはいけない。だれが賞賛、阿諛追従、罵倒、侮辱、糾弾、引用、 出版、翻訳などどのような形でそれを利用しようとも、クレジットさえきちんと していれば、それをネタにお金をせびったりたかったり、訴えたりしてはいけな い。だれかが変なパロディをつくってぼくやその関係者をこちゃこちゃにコケに しても、ぼくの書いたものにかかわるいろんな権利をたてに、文句をつけたり足 をひっぱったりというような各種茶番を展開してはならない。 それ以外の資産については、遺言するほどのものがそろった時点でまた考える。 1999年3月31日 山形浩生 ----
As We May Think Vannevar Bush∗ , † 2013 3 25 1945 1 2 2 4 3 6 4 7 5 8 6 / 10 7 11 8 12 ∗ The Atlantic 1945 Jul. 1 † c ⃝ 2013 1 1837 1 2 30 3 2 100 3D 50 4 16 20 1 100 1 5 1 8.5 × 11 1 5 3 6 10 4 7 5 8 9 6 / 10 100 7 11 8 12 13
ダイアモンド『銃、病原菌、鉄』2005年版追加章について 山形浩生 草思社の倒産で一時はどうなるかと思った『銃、病原菌、鉄』邦訳だが、無事に復活して文庫にもなって、まずはめでたい。おもしろい本だし非常に含蓄があるので、これが入手困難になるのは大変痛かったもので。 しかし、アマゾンのレビューを見ていると、変な記述に出くわした。これだ: 翻訳されていない一節 (Tsiroeht Emag) 訳されなかった章がある? そんなバカな。草思社が(愚かにも)参考文献をカットしたのに怒ってみんなで訳したときに、原書はちゃんと見ているがそんな章はなかったぞ。(なお、草思社も知恵をつけて、その後参考文献をウェブで公開したうえ、文庫版にはちゃんと載せているのでご安心を。)それも日本人に関する章で人間宣言がどうしたこうした? そんな最近の話を扱っているわけもないと思って、コメントにもそう書いたんだが…… 調べて
『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 64 回 フォロワー数で変わるツイッターのメディア性 月刊『アルコムワールド』 2011/07号 要約:ツイッターの持つメディアの特性は、フォロワー数によってだんだん変わる。それに自覚的でない人の多くは、自分のおかれた環境にまったく鈍感なために愚かしい醜態をさらすことが多い。が、求める水準のメディアにとどめるための作業もむずかしい。 ある人の書くものでも、あるいはツイッターのツイートでもいいけれど、長いこと見ていると、ときどきその人がだんだん——または突然——おかしくなって、ぎょっとすることがある。今回の震災と原発事故では特に、ツイッターでそんな光景が見られた。それまで普通あるいは高めの見識を持つと思っていた人が、いきなりわけのわからないことを言い、デマに踊らされ、それをたしなめられると逆ギレして相手を罵り、過去の発言との矛盾を指摘されると変な言い
最近の噂 風の噂ではございますが…… なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。 2010/11 デリーでイタメシを食べていたら(もう5日にわたりインド飯ばかりが続いて、さすがに飽きたんだよね)、店内でこてこてのアミターブ・バッチャンのインド映画をやっていて (写真は超お美しいアシュワリー・ライ様なり)、それで店員さんと少し話をするうちに、かのラジーニー「躍るマハラジャ」カントの話になって、かれはすっごい儲けていて出演料はシャルーク・カーンの優に倍、しかも地元では学校や病院や慈善事業を山ほどやっていて、もう神様的な存在だとか(比喩でなく、貧乏人はみんなラジーニー・カントに祈るんだって)。 これはある意味で、所得分配のジニ係数の非常な歪みの反映ではあるんだけれど、一方でラジーニー・カントの所得が平
最近の噂 風の噂ではございますが…… なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。 2010/06 飛行機の中では、イーキン・チェン&アーロン・クォックの「Storm Warriors 2」(だったっけ)を見て、これは千葉真一が悪役で出ていた最初のやつがよいできだったので期待していたのだけれど、指輪物語の影響受けすぎな感じで、あと脚本が脈絡なさすぎでどうしようかという感じ。アーロン・クォックはもう髪を青く染めてないし。あと、ちょい役で出てくる女の子二人が高校生みたいで、ヒーロー二人とつりあわなすぎ。そういえば、ジジ・リョンあたりから香港アイドルはチェックしてないなあ(ってもともとチェックしていたわけじゃないが、ウォン・カーワイやシャウシンチーの映画を観てると、前はいやでもそのときの旬の子が出てきた
シューレス・ジョー・スティグリッツ:頂点に立つ叛乱児 ジョナサン・チャイト Jonathan Chait, "Shoeless Joe Stiglitz," The American Prospect vol. 10 no. 45, July 1, 1999 - August 1, 1999. 要約:1990 年代末から 2000 年代初期にかけてのクリントン政権と世界銀行におけるスティグリッツの活躍。政治的配慮まったくなしの罵倒と活躍ぶりは、いい面もあったが悪い面もあった。ちなみに当人による回想記も絶品なので必読。 ジョセフ・スティグリッツは、クリントン大統領の権力集団の中ではあまり人気がないはずだ。かれが 1993 年にワシントンにやってきて、クリントンの経済諮問委員会(CEA) に加わったとき、かれは自分が思うべきだとされる公式見解ではなく、本当に思っていることを口に出してしまうとい
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