「くさい」と嫌われ者のカメムシ。でも、鮮やかな色や甘い香りを出す種類もある。そんな奥深さに魅せられた若手研究者が、徹底的にカメムシにこだわった企画展を兵庫県の伊丹市昆虫館で開催中だ。その名も「あなたの知らないカメムシの世界 カメムシだらけにしたろかー!」。 会場に並ぶ約250種の標本と13種200匹以上の虫はすべてカメムシ。「夢がかないました」。学芸研究員の長島聖大(せいだい)さん(34)は感慨深そうだ。 昔はカメムシが大嫌いだった。兵庫県上郡町の高校1年生だったときに学校周辺で大発生。家庭科でご飯を炊いたとき、炊飯器の中にまで入り込んでいたことに衝撃を受けた。カメムシは果物やコメの農家の天敵でもある。東京農大に進学し、絶滅させる方法を本気で探ろうとした。