“パンは空気に触れると着々と「老化」していき風味は時間の経過とともに落ちるものである。老化とは、軟らかさを失ってボロついてきて、匂いも不快な方向に行くことだが、実はパンの老化では、保存する温度が低いほど進行するという面白い現象が分かっている。だから、短期的にパンを保つためには冷蔵庫に入れておかずに、常温の暗い場所に置いておく方が老化は進まない。 ただし、一般のフリーザー(冷凍室)の温度(マイナス二十度℃)では、パンは凍結し、老化の進行はほとんど起こらなくなるので、長期間保存の場合には冷凍庫に入れて凍結させておく方がよい。この場合、冷凍室に保存したパンは時間をかけて自然解凍するのではなく、そのままトーストにして食べることが上手な食べ方である。 なお、パンの老化は油脂(ショートニング)や老化抑制剤(レシチンやモノグリセライドなど)の添加によってある程度抑えられるので、副原料を多く含んだリッチな