シジミチョウの幼虫を寄生バチから守るアリは、幼虫の作る蜜を通じて、行動を操られていることが分かったと、琉球大などの研究チームが発表した。 蜜を吸ったアリは、脳内で神経伝達物質「ドーパミン」の分泌量が3分の1に減り、大きく口を開けるなど攻撃的になるという。 シジミチョウの仲間の多くは、幼虫が糖などを含む甘い蜜を作って、アリを集めることが知られている。アリは幼虫がサナギになるまで一緒に暮らし、この間、寄生バチなどの攻撃から守る。研究チームは、シジミチョウの一種「ムラサキシジミ」の幼虫と共生するアリについて詳しく調べた。 研究チームは「蜜は栄養源としてだけでなく、薬物のようにアリの脳に働きかけると考えられる」と説明している。