民間初の月面着陸が失敗に終わった宇宙ベンチャーのispace(アイスペース)。英「フィナンシャル・タイムズ」紙が独自の取材を続けるなかで、事業継続の難しさに直面する「疲弊的」な企業文化が浮かび上がった。英紙が厳しく指摘する、月面着陸に失敗した本当の理由。 失敗に終わった月面着陸 日本時間2023年4月26日午前1時40分前後のほんの数分の間、世界は小さなスタートアップ企業が地球から38万4000km離れた場所でエンジニアリングの奇跡を成し遂げたかもしれないと信じることができた。 宇宙ベンチャー企業「ispace」は、日本を月面に宇宙船を着陸させた4番目の国に、そして自身を月面着陸を成し遂げた初の民間企業にすることに成功したかに見えた。 月面着陸のライブ配信映像が途切れたのは、月面探査プログラム「HAKUTO-R」のランダー(月着陸船)が最終降下を始めたときだった。それからおよそ20分後、同