――「そのとき、恋が始まった……のかと思った」「それでも、これはラブストーリーだ」という主人公のキューピー(須藤蓮)のナレーションから入ることで、どういうことなんだろう?とすごく興味が湧きました。それと同時に、この作品では若者たちが何と闘っているのか、その構造を一時間の中できっちり見せないといけないわけで、大変だったのではないかと思います。 渡辺:今、おっしゃったようなことが一番の課題であると思っていました。ドラマがどう始まったら興味を持ってもらえるかが大事だと思って色々試したんです。最初は志村(岡山天音)の「ベルリンの壁が崩壊したとき、境界線としての壁は世界に16しかなかった。しかし2018年現在、建設中のものを含めるとそれは65に増えている」というナレーションのシーンから書き始めてたんですけど、どうも固すぎるのが気になって。なにげなくテレビを観ていた人でも、ふっと物語に入れるような内容