第10回 宇都宮健児氏インタビュー(その2/全5回) 2度のクビ宣告で全人格を否定 絶望の底で出会ったサラ金事件で 弁護士人生が変わった 弁護士宇都宮 健児 見事在学中に司法試験に一発合格し、24歳で弁護士事務所で働き始めた宇都宮氏。弁護士になれば自動的にメシが食えるようになるだろう──入所前に抱いていたその思いが幻想だと分かるまでにはそう時間はかからなかった。挫折と屈辱の12年間が始まった。 うつのみや・けんじ 1946年(昭和21年) 愛媛県明浜町(現西予市)生まれ 59歳 サラ金問題の草分け的弁護士 東京大学に現役合格(1966年)後、社会運動と出会い弁護士を目指す。1968年に司法試験に一発合格、経済的事情により翌年東大中退、司法修習生となる。71年に弁護士登録。2度のイソ弁生活を経て1983年に独立。以降現在に至るまで、「東京市民法律事務所」を経営する傍ら、サラ金、ヤミ金被害者救