熱中症が心配な季節が近づいてきた。患者は例年、5月から出始め、6月になると大幅に増える。対策の一つとして、エアコンの使用が推奨されてきたが、東京電力の供給力減少で節電も強く求められる今シーズン。どこまでエアコンを使うべきか。関係機関は明確な方針を打ち出せずに苦慮している。【飯田和樹】 「節電も重要な課題ですが、熱中症防止も重要です」。4月下旬、気象庁が民間気象会社やお天気キャスターらを集めて開いた勉強会。過度な電力消費を控えざるを得ない今シーズンは、熱中症の危険性が高まる恐れがあるとして企画された。同庁や環境省などの担当者が正しい熱中症対策、気象と熱中症などについて約2時間かけ説明した。 だが、開催目的である節電を意識した熱中症対策については、明確な説明はなかった。出席者からは、エアコンの設定温度を何度にすべきなのか、特にエアコン利用が問題ない時間帯はいつなのかなどの質問があったが、担当者