【ローマ=末続哲也】ルネサンス期の天才芸術家レオナルド・ダ・ビンチが16世紀初頭に描いた未完の巨大壁画で、現存しないとされた「アンギアーリの戦い」が、イタリア中部フィレンツェのベッキオ宮殿内にある別の壁画の背面に残っている可能性が出てきた。 ANSA通信によると、作品の痕跡を探していた調査チームは12日、16世紀後半に画家バザーリが描いた壁画の裏に隠された別の壁から、ダ・ビンチの名画「モナリザ」で使われた黒い絵の具と同成分を見つけた。15日には、同じ壁からダ・ビンチ作品「マギの礼拝」と同じ赤の油性塗料も確認した。 「アンギアーリの戦い」は、ダ・ビンチがベッキオ宮殿内で油絵の新技法を試しつつ制作を開始したが、途中で失敗し、断念。模写やスケッチは残るが、絵が描かれた壁面は撤去されたと信じられてきた。