イノベーションを阻害する意思決定の遅さ 今年は米シリコンバレーに2回取材に出向き、中国・深センにも出かけた。深センは世界的大メーカーに成長した通信機器の華為や、ドローンのDJIの本社がある都市で、モノづくり系のベンチャーも勃興しており、今や「ハードウエアのシリコンバレー」と呼ばれている。 米国と中国での取材を通じて感じたことが一つある。共通するのは「スピード」。とにかく経営の意思決定が速いことだ。シリコンバレーのあるオフィスにはゴキブリの絵が張られ、「素早くしぶとく」といったメッセージが打ち出されていた。中国のロボット関連会社でも社是の一つが「今やる!すぐやる!私がやる!」だった。これに対して、日本企業は総じて意思決定が遅い。それがイノベーションの誘発を阻害していると筆者は考える。 シリコンバレーのオフィスに貼られていたゴキブリからのメッセージ(筆者撮影)シリコンバレーで嫌われる日本企業