トンネルやダム建設などに携わる女性土木技術者が、東日本大震災の被災地で活躍している。「どぼじょ(土木系女子)」とも呼ばれる彼女たちの仕事場は、がれき処理など復興の最前線。かつて「女人禁制」のイメージも強かった土木の世界が様変わりしてきた。大きかった衝撃 大津波で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市。砂ぼこりを上げてがれきを運ぶパワーショベルの作業を、前田建設工業(東京都千代田区)の島村亜紀子さん(41)が見守る。 島村さんは同社陸前高田作業所の技術担当マネジャー。地震直後から被災地への異動希望を出し続け、6月に着任した。 ダムが造りたくて京都大で土木工学を学び、15年前に「女性は駄目」と言わなかった同社に入社。願い通りダムやトンネル工事に携わってきた彼女に、震災の衝撃は大きかった。「本来、人の生活を支えるべき道路や橋が壊れ、人命と先人たちが築いた思いまで奪ってしまった。人を守り、自然と美しく