世界各地の図書館や博物館に収蔵されている古典籍のデジタル化や、その公開について考える公開シンポジウム「知識共有のための古典籍デジタルアーカイブ」が20日、天理市杣之内町の天理大学で開かれた。研究者ら約100人が参加し、現状と課題についての講演に耳を傾けた。 東大史料編纂(へんさん)所の石川徹也教授は、多くの機関で古文書などのデジタル化やインターネットなどでの開示が進む一方、機関同士の連携がないことを指摘。「知識を共有できるようなデータの提供が次なる創造につながる」と話した。 国立国会図書館関西館の大場利康・図書館協力課長は、国立国会図書館のデジタルアーカイブを紹介。「今後、何をどこまでどうやってデジタル化するかについて、考え方の整理が必要」と話した。 この後、デジタルアーカイブをいかに活用していくかについてのパネルディスカッションもあった。【花澤茂人】