先日、日本企業が中国企業にある製品(機械)を売り込む商談に立ち会った。そこで繰り広げられた商談は、まさに日本と中国の商習慣の違い、考え方の違いを浮き彫りにしたものであった。何とか商談はまとめたが、日本側は何度挫けそうになり、何度「これ以上の商談を続けるのをやめよう」と思ったことか。その一部始終から得られる日中の商談の違いについて振り返りつつ、その場その場での教訓を書き出してみたい。 ここは中国上海郊外。中国側は、地元で機械製造と販売を手掛ける中堅製造メーカーである。一通りの工場見学を終えて、和やかな雰囲気で昼食をとり、いよいよ午後から日本側が売り込む機械の商談に入るところだ。 教訓1:食事の席では、どんなにハードな交渉が待っていても和やかな雰囲気が崩れることはない。逆に食事がいい雰囲気だったからといって商談は別であると心得た方がいい 教訓2:食事は、中国人にとって最も大切な時間。仕事や商談