いつかこの日が来ると覚悟はしていたけれど、何か自分を支えていた大きなものが失われた喪失感が重くのしかかっている。これまで何度も書いて来た事だが、僕は吉本さんに影響されなかったらロッキング・オンを創刊しなかった。創刊してからも、これは吉本さんが見たらどう思うのだろう、叱られないだろうか、といつも誌面を作りながら思っていた。 無論、大学生の作るロック評論の同人誌を吉本さんが知るわけもなく、アマチュア・ミュージシャンが自分の曲をジョン・レノンが聞いたらどう思うか妄想しているのと全く同じレベルである。 でも、それは自分にとってとても大切な事だった。 それから何十年後、直接お会いする事ができるようになっても、その気持ちは変わらなかった。 僕と同じ気持ちの人達はたくさんいると思う。 その人達の吉本さんに影響された仕事は、今の日本の表現状況に於いて決定的な存在感を持っていると思う。 多くのロック・ファン