3月29日の英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)まで2カ月を切った。英議会では2月14日、離脱協定案の採決がある予定だ。1月15日に歴史的大差で否決された案の修正案だが、EU側は一貫して条件変更などの再交渉を拒否している。仮に今回、英議会で可決されても、EU側が認める保証はない。なぜ、ここまでEUは頑固なのか。 もつれるアイルランド国境問題 離脱協定案は、メイ英政権がEUとの間で昨年11月に合意した。この中で英議会が最も嫌がるのは、アイルランド島という一つの島にある「英領北アイルランド」と「アイルランド共和国」の国境問題に絡み、「非常措置」として設ける英EU間の「バックストップ(安全策)」だ。 北アイルランドでは1960年代以降、親英国のプロテスタント系住民と、アイルランド統一を求めるカトリック系住民の対立が続き、テロなどが頻発。3千人以上の犠牲者を出した。「北アイルランド紛争
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