被災線区は太平洋岸の広域に及んだ 2011年3月11日、東日本大震災が発生し、津波によって三陸は未曽有の被害を受けた。青森県から宮城県にかけてはJR八戸線、三陸鉄道北リアス線、JR山田線、三陸鉄道南リアス線、JR大船渡線、気仙沼線、石巻線、仙石線、さらに原発事故が輪をかけた常磐線など、被災線区は太平洋岸の広域に及んだ。 それでも三陸鉄道は被害が軽かった北リアス線の一部区間で震災5日後には復興支援列車の運転を敢行し、沿線を支援するとともに鉄道を存続させる意思を表明した。それから3年後の2014年4月、5日に南リアス線、6日に北リアス線が全線再開を遂げ、当日は1984年の開業日を彷彿とさせるほどの活況で、祝賀ムードに溢れた。 この全線復旧に際しては、東日本大震災に限って既存の枠組みを超えた災害復旧支援制度が設けられ、上下分離により自治体も路線存続を担保するという前提条件の下で、国と地方自治体で