JR北海道のレール点検数値改ざん問題の発端となった脱線事故で、国の運輸安全委員会は29日、担当の保線部署がレールの異常を把握しながら、整備計画を立てなかったのが事故原因とする最終報告書を公表した。本社以下が整備を現場任せにし、異常が放置され続けたと指摘している。 事故は2013年9月19日午後6時5分ごろ、北海道七飯(ななえ)町の函館線大沼駅構内で起きた。18両編成の貨物列車のうち4両が緩い左カーブで脱線。JR北は事故後、運輸安全委にレールの検査データを改ざんして提出した。改ざん前の検査データが見つかり、事故原因は分析できたが、調査は一時中断。運輸安全委は14年2月、同委設置法違反(虚偽報告)容疑でJR北と社員らを刑事告発した。 報告書によると、13年6月の大沼保線管理室の検査で、脱線地点付近のレールはカーブ外側に最大70ミリ膨らみ、左右のレールの幅は最大40ミリ広がっていた。整備が必要と