東京大学(東京都文京区)安田講堂前の地下食堂に飾られていた著名画家の大作が、施設改修で行方不明になっていた問題で、食堂を管理する東大生協が8日、正式に廃棄を認めた。ホームページに「貴重な文化資産である作品を失うことの重大さに思いが至らなかったことを深く反省する」などとした「お詫(わ)びと経緯」を載せた。 飾られていたのは、1972年のベネチア・ビエンナーレで日本代表を務めた故・宇佐美圭司さんの4メートル角の作品「きずな」。生協によると、76年に生協創立30周年記念事業として制作を依頼したという。 今年3月の食堂改修を前に生協と大学で作品の取り扱いを検討したが、絵が壁に固定されていて技術的に取り外せないなどと議論になり、生協は昨年9月に廃棄したという。生協は専門家に相談せず、「実際には可能であった搬出や保護の方法について検討を怠った」「作品の芸術的価値や文化的意義について十分な認識を共有しな