旦那に隠し女がいることを感づいた女房は、下男の権助を買収して、旦那の行動を監視させる。ところが、旦那の方が1枚上で、「“網打ちに行き、その後取引先に廻(まわ)った”と報告しろ。魚屋で適当な魚を買い、網打ちの獲物だと言え」と命令する。だが権助は、干物を買って帰ったために、旦那の悪巧みが露見してしまう。東京落語「権助魚」だ。 四天王寺(大阪市天王寺区)の参道ぞいにある、すしと割鮮(かっせん)(刺し身の意味)の「天山(てんざん)」の名物「松前寿(ず)し」(要予約で1800円から・全て税別)を権助が持って帰ったら、女房の怒りも違っただろう。鯖(さば)と昆布に徹底的にこだわった棒ずしで、年末には正月用に百本以上の注文があるという。堺市の「寿し丸」で父親に仕込まれ、他業種を経験した天本栄作さんが4年前に開店した。自らの姓の1文字と、真理夫人の旧姓山本から店名を付けた。夫唱婦随で作り出す味が大好評で、常