東日本大震災から7年半がたった大船渡市三陸町綾里地区で、本気の覚悟を秘めた「漁業女子」が奮闘している。26歳の見習い漁師高橋典子さんは元岩手県職員だ。浜の再生に向け、76歳の先輩漁師中島重男さんと船を出す。 7日午前5時すぎ、綾里漁港から沖合3キロのポイントに着いた。水深約80メートルの海底に仕掛けた籠を次々引き上げる。「これも大きいぞ」。大漁のアナゴに2人の笑い声がはじけた。 今春、地元水産会社に入社し、第18新栄丸(2.5トン)の操縦を任されるようになった。 アナゴの生態に関する論文を読み込んだ。地形を分析し、仕掛けを改良した。緻密な仕事ぶりは、やはり公務員仕込みだ。「風や波の向き、潮の流れ、海水温。海の条件は毎日違う」と勉強熱心な高橋さんに、中島さんも舌を巻く。 花巻市生まれで、子どもの頃から公務員志望だった。2014年に県庁職員となって大船渡地域振興センターに赴任。休日を利用して知
<福島第1事故>宮城産ホヤ補償 20年末で終了 県漁協と東電、大筋合意 東京電力福島第1原発事故に伴う韓国の禁輸措置で供給過剰となっている宮城県産の養殖ホヤを巡り、東電が生産者への補償を2020年末で終了する見通しとなったことが30日、分かった。 県漁協と東電が同日までに、逸失利益分の補償を段階的に廃止する方向で大筋合意した。19年は現行の枠組みを維持し、20年に補償額を現在の半分に削減。21年以降は補償しない。 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会が韓国の禁輸措置を不当と認めて是正勧告を出すなど、輸出再開に向けた機運の高まりが背景にあるとみられる。 県漁協幹部は「反対する漁業者もいたが、早期輸出再開を望む声は多い。補償が長期に及んだ影響は大きく、終了するまでに生産体制を整えたい」と話した。 東電は14、15年の国内販売価格の下落分を補填(ほてん)したほか、県漁協が供給過剰分を焼却した
「八戸イカの日」の10日、市水産科学館マリエントで大型イカの解剖ショーが開かれた。水産研究・教育機構東北区水産研究所の浮魚・いか資源グループ(八戸市)の協力で、世界最大の食用イカ「アメリカオオアカイカ」を使用。通常は港に水揚げされる前に解体されるため、そのままの姿が見られるのは珍しいという。 水産研の職員が、全長190センチ、重さ23キロのイカをナイフで切り開き、えさが内臓に届くまでの動きなどを説明。子どもたちは歓声を上げながら足や胴体に触れていた。 市内の小学4年古里友太郎君(9)は「イカが大きくてすごかった。触るとムニムニとして変な感じだった」と驚いた様子だった。 八戸イカの日は、八戸港で水揚げされるイカを全国にPRしようと八戸市などが制定。この日は、イカを使った料理コンテストの審査などもあった。
東日本大震災からの復興を目指す三陸の浜が、深刻な漁業不振にあえいでいる。主力魚種の記録的不漁に貝毒禍が養殖漁業を襲う。活気が失われていく浜で今、何が起きているのか。東北有数の水産基地・大船渡から報告する。(大船渡支局・坂井直人) 定置網漁の不振が、漁協経営を揺さぶっている。 大船渡市三陸町の綾里漁協は2017年度、3期連続で当期損失金の計上に追い込まれた。定置網の水揚げ額は約4億7000万円。ピーク時の約12億円を大幅に下回る。対事業計画比では54%にとどまった。 佐々木靖男組合長は「夏漁はまずまずだったが、秋サケの極端な不漁が響いた。品薄による魚価高でもカバーできなかった」と肩を落とす。 漁協は本年度、長年据え置いてきた養殖物の販売手数料の引き上げに踏み切る。組合員に負担を強いる苦渋の決断だ。 ふ化放流事業の促進で1995年に1万876トンまで拡大した漁獲だが、直近3年間は500~700
東日本大震災からの復興を目指す三陸の浜が、深刻な漁業不振にあえいでいる。主力魚種の記録的不漁に貝毒禍が養殖漁業を襲う。活気が失われていく浜で今、何が起きているのか。東北有数の水産基地・大船渡から報告する。(大船渡支局・坂井直人) 「恋し浜」ブランドのホタテが、貝毒の猛威にさらされている。 越喜来湾に面する大船渡市三陸町の小石浜地区は今年4月下旬以降、一枚のホタテも出荷できずにいた。養殖海域で、国の基準値を上回るまひ性貝毒=?=の検出が続いているためだ。 東日本大震災で壊滅的被害を受けたホタテ養殖は、数年がかりでほぼ震災前の生産規模にまで回復。それが再び、収入ゼロに逆戻りした。 40年近くホタテ養殖に従事してきた松川一典さん(65)は「こんなに長く水揚げできないのは初めてだ。養殖を再開したときの借金もある。耐え忍ぶしかない」と嘆く。 岩手県沿岸では、全12海域のうち釜石市以南の5海域で今もホ
宮城県南三陸町でミズダコの籠漁が不漁にあえいでいる。籠漁が始まった7月の漁獲量は昨年の3割で、8月に入っても低調のままだ。不漁の影響で取引価格が2倍近くに高騰し、地元の水産業関係者に深刻な打撃を与えている。 7、8月は三陸沖の底引き網漁が休漁となり、水深100メートル以上の海中に仕掛けた網籠で取るミズダコ漁が主力になる。町地方卸売市場によると、7月の漁獲量は34.5トンで昨年の94.5トンを大きく下回る。1日当たりの漁獲量の最高は昨年が9.2トンだったが、今年は3トンにとどまる。 8月は水揚げが1トンに満たない日が多い。松島丸の船頭を務める星勇さん(51)は「7月の出だしから水揚げが低調で、その後もじわりと減っている。漁を長年しているが、これだけ取れないのは珍しい」とため息を漏らす。市場関係者は「不漁と聞いて操業を控えている船もある。ミズダコとは違う魚種の漁に流れている」と話す。 一方、取
<水産特区>宮城県が適用見送り 漁業権申請、合同会社のみ 沿岸漁業権を民間企業に開放するため2013年に水産業復興特区を導入した宮城県が、県内で9月に予定される漁業権免許の一斉更新で特区の適用を見送ることが1日、分かった。制度が適用された桃浦かき生産者合同会社(石巻市)の漁場に同社以外から免許申請がなく、現行の漁業法の範囲内で漁業権を取得できるため。合同会社には、10日の宮城海区漁業調整委員会の審査を経て31日付で免許が交付される。 5年に一度の漁業権更新に合わせ、県は計576の区画漁業権について6月1日~7月31日に免許申請を受け付けた。県が特区を適用し、合同会社が13年に漁業権を取得した桃浦地区の4区画は同社のみが申請した。 漁業法は漁業権の優先順位を定めており、競合した場合は第1位の地元漁協に免許が付与される。前回更新時は水産特区制度に反対する県漁協と、桃浦地区のカキ養殖業者と水産卸
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