「魔界探偵冥王星O」「蝦蟇倉市事件」 ペンネームや物語の舞台を共有し、複数の作家が小説を創作する試みが相次いでいる。いずれもミステリーやライトノベル作品。新たな物語の可能性を秘めた試みか。それとも話題作り? (佐藤憲一) 越前魔太郎という「ライトノベル系覆面ホラー作家」が先月、謎めいたデビューを果たした。「魔界探偵冥王星O(オー)」をタイトルに冠した7作の小説を、講談社ノベルスとアスキー・メディアワークスの電撃文庫から、8月まで集中して刊行予定。4月に出た『ヴァイオリンのV』『ウォーキングのW』の2作も、闇の世界の不気味な存在が登場することは共通するが、文体や個性は異なる。ネット上で格好の話題となっているが、作者は何者なのか? ――実は作家・舞城王太郎さんが原案を担当する映画「NECK」(8月公開)に登場する架空の作家。刊行元の両社は、「複数の人気作家が執筆している」としか明かしていないが