印刷 シュタージ文書管理庁の倉庫に保管されている膨大な秘密文書のファイル。並べると長さ111キロになるという=ベルリン、松井健撮影 旧東ドイツの秘密警察「シュタージ」の文書を管理、公開するドイツの国家機関・シュタージ文書管理庁の職員45人が異動させられることになった。シュタージの元職員たちだ。 当の秘密警察の出身者たちは「文書の解明に役立った」か「犠牲者への侮辱」か。東西ドイツの統一から3日で21周年。冷戦の象徴シュタージをめぐる長年の論争に一定の結論が出た。 連邦議会が9月30日、シュタージ文書法改正案を連立与党の賛成多数で可決。元職員を他省庁に異動させられるようになった。 管理庁によると、ヨアヒム・ガウク初代代表が1990年から91年にかけて、50人以上のシュタージの元職員を雇用した。多くは警備職員だったというが、「文書の解読に内部事情を知る元職員が必要だった」とも指摘される。